「防災の日」に寄せて 求められる感染症への対応 神奈川県議会議員 おのでら慎一郎
今年度末で終了する国の「防災・減災、国土強靭化に関する3カ年緊急対策」。その予算を活用
し、神奈川県や横浜市でも河川や道路、橋梁の補修などさまざまな災害対策事業を推進してきましたが、この夏の豪雨災害をみれば、対策のさらなる強化が必要なことは明白です。
しかし、来年度予算の方向性を定める「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)の政府原案に「3カ年緊急対策」の延長に関する文言はありませんでした。
「防災・減災に対する政府の認識は甘い!」
公明党の「苦言」を受け、7月17日の閣議決定では、緊急対策終了後も必要十分な予算を確保し、対策を進めていくと改められました。
コロナ禍における避難のあり方とは
また、政府には近年の災害対応と新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた防災対策に関する提言も行いました。その一つが「3密」回避へホテルや旅館などを活用し避難先を分ける「分散避難」の定着です。神奈川県としても市町村の要請に応じた県立施設の利用調整や、避難所としての利用に前向きな宿泊施設リストの提供などを進めていきますが、自治体ごとの体制構築や可能な限り多く避難所を開設するためには国の支援が欠かせません。それは、感染防止のための間仕切りシステムやマスク、消毒液の備蓄についても同様です。
生活再建の厳しい現実を知っておく
私は知的、精神、身体に重い障がいのある方々の避難に関する政策研究に取組んでいますが、高齢者を含め自力での避難が難しい人の個別支援計画の策定を法定化するなど災害対策基本法の改定も提言で触れています。
最後に「自助」について一言。県内の住宅の耐震化率は9割を超えていますが、大地震では家が倒壊しなくても家具などが倒れたり”飛んで”きたりして死傷するケースが少なくありません。
ちなみに家屋が倒壊した場合、住宅再建経費が2000万円以上、生活に不可欠な家財の買い替え費用も4人家族で1600万円以上というデータがあります。
9月1日は防災の日。家具の配置や固定方法を再確認するとともに、自然災害共済や地震保険の加入や見直しなど、災害への備えについて、ご家族で話し合う機会にされたらいかがでしょうか。
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