日常生活における移動の課題解決を図るため、歩行領域EVを活用した実証実験が6月24日から7月9日まで若葉台団地で実施されている。若葉台1丁目から4丁目の住民希望者が協力し団地内を走行。一般的な歩道を含む公道での、住民の日常利用を想定した社会実験は全国初の試みとなる。
歩行領域EVは、トヨタ自動車(株)が開発した電動モビリティ。歩行者と同じ空間を走行することを想定したもので、全高約1・2m、全長約0・7m、全幅約0・45mとコンパクトかつ3輪にすることで安定性のある設計になっている。立ち乗りタイプだけでなく、座り乗りや車いす連結タイプもある。
このEVはこれまで商業施設や空港内などで警備員が使用していたが、今回初めて街中を走行。地域を支える近距離の移動手段として歩行者と安心安全に共存可能かといった観点から検証される。実証実験はトヨタ・モビリティ基金の支援を受け実施。実証主体は横浜若葉台公道走行実証実験運営協議会で、同協議会は(一財)若葉台まちづくりセンター・横浜市・ヨコハマSDGsデザインセンター・神奈川県住宅供給公社・パシフィックコンサルタンツ(株)・トヨタ自動車(株)の6者で構成されている。
若葉台団地では2019年からトヨタ・モビリティ基金の支援で、時刻表やルートを持たずに利用者の要望に合わせ運行するオンデマンドバスの導入に向けた実証実験を繰り返し実施してきた。こうした経緯から歩行領域EVの実証実験を行うにあたり、若葉台に声が掛かった。
最高速度は時速6Km
今回の実証実験では、希望した若葉台住民らがモニターとなり、立ち乗りタイプの歩行領域EV全9台を導入して実施。関係省庁の許可を得て若葉台団地内のルートを保安要員の同行のもと走行し、事前予約をした住民は自宅から病院までなど指定した目的地への移動にも使用している。原動機付自転車扱いのため免許所有者が対象で、歩行速度と同程度の速さである時速4Kmから最高速度時速6Kmの間で試乗。一日に10人以上が利用しているという。
体験乗車した渡辺徹さん(78)は「歩ける人にとってはゆっくりした速度に感じるが、お年寄りの方や歩くのがつらい方は買い物などの移動手段として活用できるように感じた」と話した。
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