ひかりが丘地域ケアプラザで9日まで写真の展示を行う 梶浦 敦さん 上白根町在住 89歳
「優しい写真撮り続けたい」
○…20年ほど前に趣味として始めた写真撮影。現役時代はカメラの部品などの金属加工をする会社に勤めていた。「カメラに対する深い知識がないことに気づき、近所の写真教室に駆け込みました」。習い始めて数年経った頃、偶然目にした雑誌の写真に目が留まり、自然写真家のもとに通う。「花を主役とし、周りをぼかす優しいタッチに惹かれました」とほほえみ、自身の作品にも影響しているという。
○…それから10年ほど通い詰めるが、高齢の母の介護が必要になり、習うことを断念。撮影は続けるが、自己満足になってはならないと悩んでいたところ、母が通っていた病院から展示をさせてもらえないかと申し出があった。「なかなか外に出かけられない患者さんたちが喜んでくれて、ますます励みになってね」と照れ笑い。区内に引っ越してきたのは6年前。同様に展示をできる場所を探し、ひかりが丘地域ケアプラザと出合う。月の半ばと末に季節の写真を2枚展示。現在行われている展示会では、2年分の作品から26枚の写真を展示している。
○…旧満州の安東市に生まれ、12歳まで暮らしていた。終戦直後、旧満州には、ソ連軍や中国共産党軍が侵攻。街の警察官が銃殺される現場を目撃するなど辛い経験もあった。「今でも鮮明に思い出すよ。辛い場面に出合ったからこそ、自分の写真で人を慰められたら」と思いを語る
○…優しい印象の写真を撮り続けることを生涯の目標とし、そのために優しい人間であろうと常に心掛けている。「人付き合いが下手くそだから、一人で撮影に没頭してる時間が好き。披露する場をいただき本当にありがたい」と静かに語る。内に秘める優しい人柄は、花々の柔らかい曲線をそっと引き立てる。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>