横浜市は第2期の「自殺対策計画」を策定、発表した。計画は今年度から2028年度までの5カ年。第2期計画は社会情勢の変化や市民意識調査の結果から、「子ども・若者・女性」への対策・支援に重点を置いている。
続く「非常事態」
横浜市は、2016年の「自殺対策基本法」の改正に伴い、19年度に第1期の自殺対策計画を策定。「誰もが自殺に追い込まれない社会の実現」を目指し、ゲートキーパー(GK)の養成や相談支援体制の強化などを行ってきた。
市の自殺者数は、リーマンショック後の09年をピークに減少傾向にあった。しかし、新型コロナウイルスの流行で身体や心の健康、経済面での悩みなどを理由に20年以降再び増加傾向となり、特に女性が増加している。
市は22年の「こころの健康に関する市民意識調査」で、「自殺したい」と思う割合が若年層に多かった結果を受け、第2期計画には子どもを含めた若年層と女性への対策・支援強化を重点施策として盛り込んだ。市健康福祉局こころの健康相談センターでは、「非常事態が続いているという認識で取組を進めることが重要」と危機感を募らせる。
局横断「意識醸成を」
重点施策は、中高大学の生徒や教職員を対象にしたGK養成研修の実施や、妊娠・出産、DVの相談、就職支援など若年層や女性が抱える悩み解決の支援など、「追い込まれる前にいかに相談先につなげるか」に配慮されている。同センターは、「目新しい施策はないが、どれも各局の事業に紐づいているので、職員には『すべての事業が自殺対策』という意識の醸成が必要」と話す。
重点施策に補正予算
これら重点施策のうち、市は、市立中学校でのいじめによる自殺事案を受け、再発防止のため、24年第2回定例会に、市立中高と特別支援学校に配置するスクールカウンセラーの倍増や、不登校児童生徒支援事業として、9月から市内中学校全校に支援員を置く、などの対策強化策を盛り込んだ補正予算案を計上している。
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