毎年6月4日から10日は「歯の衛生週間」。本紙では、瀬谷歯科医師会の弥郡彰彦会長に歯の健康についてインタビューした。
予防のための歯科
記者―8020(ハチマルニイマル)運動(80歳で自分の歯を20本以上残す取り組み)などで、口の中の健康への意識が上がっているようです。
弥郡会長―これまで歯医者は、「痛くなったら行く場所、壊れた部分を繕う場所」でした。しかし現在は「予防」の観点から、自覚症状がなくても定期的に医師のチェックを受ける場所に変わりつつあります。食べることや会話することは、生活そのもの。歯科医師会では、「生活を支える医療」として、口腔の立場から区民の健康の保持・増進に役立っていきたいです。
記者―介護の現場でも口腔ケアが重要視されていると聞きます。
弥郡会長―口腔機能の維持・向上は全身の健康に大いに関与します。噛む力や飲み込む力が低下しないようにすることは、高齢者に多い誤嚥性肺炎などの予防にもなります。瀬谷区の最新の統計では65歳以上の人口が22%で超高齢社会。高齢者の口腔ケアは区内の重要課題だと思います。瀬谷歯科医師会では毎年「高齢者よい歯のコンクール」で全員に表彰状を贈呈し、意識向上を図っています。
子どもの歯磨きは”褒めて”
記者―子どもの口腔ケアで気をつけることはありますか。
弥郡会長―歯科の分野でも「食育」が重要とされています。虫歯にならないように歯磨きすることももちろん大事ですが、よく噛むことや、箸の持ち方など、「食べ方」を含めた食習慣作りが大切です。小さい頃に正しい食習慣を身に付けていれば、大人になった時の生活習慣病の予防にもなります。また、子どもは3歳頃までに味覚形成されるので、その時期にバランス良く食べることが大切です。
さらに、子どもの頃から「自分の健康は自分で守る」という意識づけが必要です。そのための行動の第一歩が「歯磨き」です。親が無理やり押さえつけて歯磨きしたり、子どもの歯磨きの仕方を注意ばかりしていると、「歯磨き嫌い」になってしまいます。子どもの歯磨きはなるべく褒めてあげて、自分から進んで歯磨きができるようにしましょう。
ヘルスアップフェア
6月9日(木)、瀬谷公会堂で歯の衛生週間の行事が行われる。午前中には「高齢者よい歯のコンクール」を開催(参加募集は終了)。
ほかに、歯周病や骨密度などをチェックする「お口と体の健康チェック」を実施する(大人向け・午前10時〜11時受付)。
午後は未就学児のフッ素塗布を行うほか、歯科相談や矯正相談(4〜18歳)を実施。大人のお口の体の健康チェック、親子の栄養講座や親子体操が行われる。午後1時半〜3時受付。
問い合わせは瀬谷区役所健康づくり係【電話】045・367・5746まで。
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