神奈川県内で振り込め詐欺が多発しており、区内でも被害が増加している。手口の巧妙化や、特定のエリアを狙った犯行などが、増加の原因。瀬谷警察署や区内の防犯団体は「日頃から『騙されない』意識を」と呼びかける。
区内では今年1月から9月11日までに、未遂も含め15件、被害額約2630万円の振り込め詐欺が発生。特に6月下旬から7月頭にかけて立て続けに発生し、昨年の同期比で9件の増加になった。
瀬谷署によると、最近は東京都内での振り込め詐欺防止運動の成果が出ており、代わって神奈川・埼玉・千葉の各県が犯人に狙われる傾向があると話す。
今年の被害のうち13件が、直接犯人に現金やキャッシュカードを受け渡す「手交型」。警察や金融機関の職員を名乗って電話をかけてくるという。
ある自治会では7月、自治会内の高齢者に何者かが瀬谷警察の職員を名乗る電話があり、電話を受けた後自治会内の全戸に振り込め詐欺注意のプリントを配布した。電話は、警察官が「預金保全制度」という架空の制度と、制度の契約を受ける銀行員を紹介するもの。この高齢者は偽の銀行員との電話で不審に気付き被害を免れたが、「親切な警察官からの電話」と途中まで信用しきっていたという。
そのほか、息子や娘のふりをして示談金などを要求するオレオレ詐欺も、依然として被害が出ている。
瀬谷署は「最近のオレオレ詐欺は、約7割に『携帯電話の番号が変わった』という前兆電話がかかってきている。その後金銭の要求があった場合振り込め詐欺。本人に事実を確認したり、警察署に電話するなど、対策してほしい」と話している。
毎日の注意が大切
「振り込め詐欺防止アドバイザー」の認定を受ける防犯団体・瀬谷区女性地域安全委員会は、年金受給日に金融機関に立ち、振り込め詐欺の注意喚起をする。同委員会は「多くの人が(オレオレ詐欺のような)電話を受けたと話す。騙されなかったのはキャンペーンの注意のおかげという声もあり、日々の呼びかけが大切だと感じた」という。
同委員会は今年から、常にリボンを見て振り込め詐欺などの犯罪被害のことを思い出してもらおうと、キャンペーンなどでリボンを配布する「安全安心リボン運動」を展開する。
同委員会は「手口がどんどん巧妙になっているので、日々近所や家族と話題にして、振り込め詐欺にひっかからないように対策を」と話している。
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