折り紙教室の講師を務める 木村 脩治さん 北新在住 77歳
分かち合う、折る楽しみ
○…10年前、南瀬谷小コミスクで活動する「折り紙の会」の先生に就任した。「教室では折れるけど、家に帰ってから分からなくなってしまうから」とカメラの設計という自身の仕事を生かし、教わっていた頃から独自に折り紙の設計図を作成してきた。市販の教則本にない折り方のポイントが書かれた設計図は生徒たちにも好評。ゆっくりと教える姿勢も評判を呼び、今では瀬谷区内外を問わず、40人以上の生徒を教えるまでになった。
○…会社員時代は家と会社の往復ばかり。家の周りの事はおろか、近所の知り合いも少なかった。「引退したら時間もあるし、なんでもできると思ってたら想像と違った」と振り返る。「妻に勧められて区の教室に通い始めたのが地域デビューの始まり」。定年後はこれまで理系の道を歩んできた反動か、折り紙の会のほかに瀬谷古文書学習会や歴史を楽しむ会などに参加。歴史についての知識欲が高まった。「定年後の過ごし方に迷っている人はたくさんいると思うけど、私みたいな人もいるんだって思って色々なことにチャレンジすることをおすすめしたいです」と力を込める。
○…近頃止まらないのは紙の収集癖。「作品に使えるんですよ」と、和紙に始まり、弁当の包み紙やレストランで出される食べ物を敷く紙など多岐に渡る。奥様もあきれ気味だというが、「整理しないと怒られますけど、妻は妻で習字の半紙をたくさん持っているので、家の中は紙だらけ。私はおあいこだと思ってますけどね」とすまし顔だ。
○…「折り紙は世代を超えて一緒に遊べるし、大人も夢中になれるのが魅力」。折り紙教室に参加する生徒は女性が大半で、バラやツバキ、サクラの花など華麗なものが多い。「次は瀬谷区の花、あじさいを1枚の紙で折ることに挑戦したいです。6月には教えられるようになりたい」と喜寿を迎えても内に秘める向上心が折れる気配はない。
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