3学期制回帰進む 今年度は市内小中18校で
横浜市で2003年度からほとんどの公立小中学校が導入した2学期制だが、ここ数年3学期に戻す動きが多く、瀬谷区では南瀬谷中が2011年度から、この4月からは瀬谷中が3学期制を再導入した。
2学期制は10月の連休を区切りに前期と後期に分ける考え方。3学期制と比べて始業式と終業式を1回ずつ削減し、年間で10時限以上確保できること、通知表作成が少ないので教師の負担が減ることなどがメリットとされていた。
2011年度、瀬谷区でいち早く3学期制に戻し、1年が経過した南瀬谷中の細川眞人校長は、「従来のままでは学習効果がきちんと出るか疑問だった」と話す。今年1月に行った保護者などへの振り返りアンケートでは、「夏休み前に成績が見られることで苦手科目などの見直しができる」など評価する声が多く上がった。ほかにも生活面の見直しや問題の早期発見、学習意欲・生活意識の改善が見られたという。
「3学期制にしたことで元々授業数の少ない科目は、評価し辛い面もある。しかしそこは教職員の工夫次第でカバーできると思う」とし、「今後も学校関係評価委員会など地域の声も取り入れつつ運営していきたい」と話した。
今年度から3学期制を導入した瀬谷中学校。昨年度からの導入も検討していたというが、新指導要領に合わせ、今年度からのスタートとなった。児玉政徳校長も同様に「2学期制のメリットである学びの連続性が良く感じられなかった。前期は夏休み明けすぐにテストがあり、正当な評価をつけられているのか疑問もあった」と話す。
同校では3学期制導入にさきがけ、10年度の後期からGK20(学力向上20%)の取り組みを始めた。これは静かに話を聞く、積極的に手を上げるなど10の取り組み目標を設け、一人ひとりの学力向上を目指す。
児玉校長は「今の生徒たちは1度も3学期制を体験していない世代。生徒たちにとっては夏休みの前に成績を見るのは辛いかもしれないが、やがてメリットになると思う。GK20を推進し、生徒の意識向上を促していく」と話した。
横浜市教育委員会は「2学期制が浸透している学校もある。3学期制にするのか、2学期制のままでいくのか、地域の人たちとよく話し合ってもらい、最終的には学校長の判断に任せている」と話している。
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