瀬谷警察署(山本義明署長)は6月28日、管内の2012年の振り込め詐欺の被害状況をまとめた。発生件数は9件、被害額は約3000万円で県内ワースト1。同署では、この非常事態をどうにか食い止めようと、兼ねてより協力を仰いでいる近隣の金融機関や自治会へ、さらなる注意を呼びかけている。
瀬谷警察署によると、振り込め詐欺被害が急増したのは6月上旬。6月7日には1日で3件発生した。昨年の同時期に比べると被害件数は1件減少しているが、被害額が既に昨年1年間の総額に達しそうな勢いだ。同署ではこの現状を重く受け止め、6月11日、近隣の金融機関に声をかけ緊急会議を開いた。
管内の金融機関はこれまでも、保安指導員を置きATMでの声掛け訓練を実施するなど、振り込め詐欺への防犯意識を高めてきた。同署は日頃の協力に感謝の意を述べるとともに現状を報告。「おかしいと思ったら、とにかくその場ですぐ電話を下さい」と、最後の砦である行員らにさらなる協力を訴えた。11日以降は通報が3件あったが水際で防ぎ、被害に至る報告はない(6月28日現在)。
同署生活安全課によると被害手口の大半は、息子を名乗る者から「携帯番号を変えた」「明日、近くまで行く」などの電話があり、その翌日に支払いを求めてくるというもの。内容は「電車に会社のお金を忘れた。立て替えないと取引に間に合わない」「会社のお金に手をつけた」「女性と別れるための示談金を用意して欲しい」など。また、最近は金融機関の振り込め防止対策が強化されていることから、現金を直接手渡しするケースが増えているという。
同課では、被害者の約9割が60歳以上の高齢者のため、管内をアナウンスしながら巡回したり、自治会ごとに被害防止の講話を開くなど今まで以上に力を入れ、注意喚起を行っている。平岡一夫課長は「不信な電話があったら警察か家族にまず連絡を。現金を見知らぬ人には絶対に渡さず、慌てて振り込んだりしないように」と呼びかけた。
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