最近になって存在が知られるようになり今年1月、山口県で初めて国内の症例が確認されたダニ媒介性の新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTSウイルス)」。中国で2009年以降、同ウイルスの症例が報告されており、多くはウイルスを保有するマダニに咬まれたことよって感染したとみられている。
マダニは家庭内に生息するコナダニやヒョウダニ、イエダニなどとは種類が異なり、固い外皮に覆われた比較的大型のダニ。吸血前の大きさは約3㎜前後、吸血後は7㎜以上の大きさになるものもある。森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られ、日本では全国的に分布している。咬まれると6日から2週間程度の潜伏期間の後、発熱や消火器症状(食欲低下・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢など)が表れ、重症化すると死に至る場合も。現在、有効な抗ウイルス薬等の治療法がないので、咬まれないように予防することが重要となる。春から秋にかけてはマダニの活動が活発化するので横浜市や厚生労働省では広く注意を呼び掛けている。
マダニに咬まれないようにするには、草むらや藪などマダニが多く生息する場所に入る際、長袖に長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を出来るだけ少なくする。屋外で活動した後は必ず咬まれていないかの確認を行うことが大切となる。もしも咬まれてしまったらダニを無理に引き抜こうとせず、病院で処置をしてもらうのが肝要だ。焦ってダニを引き抜こうとすると足の部分だけ皮膚に残ることもある。
公園や草むらを散歩することの多い犬がマダニに咬まれると「バベシア」という犬の命に関わる病原体を伝播されることがある。バベシアに感染したマダニが犬への吸血活動の際に伝播していくのだ。バベシアに感染した犬は日ごとに衰弱し食欲、体力を失っていく。現在、根治法もワクチンもないのでこちらも予防を心掛けるしかない。散歩から帰ってきたら愛犬の体をよくブラッシングし、春から秋にかけては首輪形の殺虫剤を装着するか、犬の首筋に滴下するスポットオンタイプ殺虫剤を定期的に投与しマダニを早期に駆除する方法が効果的といえる。犬についたマダニは駆除が可能なので、習慣づけることで人への影響が多少なりとも減るかもしれない。犬のマダニ対策については獣医師の久松紘一さん(久松動物病院・阿久和西2の22の7)が詳しく相談にのってくれる。問合わせは【電話】045・361・6751へ。
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