震災時仮設住宅 市が用地確保で追調査 被害想定見直しに対応
横浜市は今年度から、大災害発生時に応急仮設住宅の供給を速やかに行えるよう、市内にある公有地の調査を実施し、2、3年をめどにデータベース化を進める。対象となる土地は、およそ1300カ所となる。
今回、市が調査の対象としているのは、市や県、国が市内に所有している、面積1000平方メートル以上の公有地。専門業者に委託し、土地台帳でのチェックのほか、実際に対象となる場所に赴き、土地につながる道路の幅や電気、上下水道の敷設など、仮設住宅を建てる際に必要となるインフラの状況を調べる。
対象となる土地はおよそ1300カ所で、そのほとんどが公園だという。そのほか、グラウンドや将来の学校建設用地、宅地用として取得した土地などが含まれる。担当である市建築局では「仮設住宅を建てるためには、一定以上の広さがあり、かつ平らな場所である必要がある。必然的に、現在公園などとして利用されている場所が多くを占める」と話す。
対象は1千300カ所
市では2009年度にも、同様の調査を行っている。そのときの対象は、今回の倍の広さである2000平方メートル以上の土地、359カ所。担当課によると、その土地全てに仮設住宅を隙間なく建てた場合、2万戸弱を建設することが可能という。
一方、11年の東日本大震災を受け、市では防災計画の見直しを実施。その結果、津波の浸水予測地域がより広域となるなどの理由から、市内で被害を受ける家屋が最大14万8千棟に上るとの試算結果が出た。この被害想定見直しを受け、市は仮設住宅建設用地となる候補地の調査対象を従来の359カ所に加え、1300カ所増やすことにした。
今回の対象拡大による建設可能戸数について担当課では「対象の土地の中には道路やインフラ整備などの問題で、仮設住宅地が建てられない土地もあるかもしれない。実際に調査を終えてみないと、建設できる戸数はわからない」と話す。また、想定のうち最大の被害が発生した場合、今回対象となる土地を加えても仮設住宅の戸数が足りない可能性もあり、「その場合は、民間住宅の借り上げなどを検討する必要もあるだろう」としている。
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