今年20周年を迎えた国際交流Seyaの会長を務める 舩矢 多紀子さん 相沢在住 73歳
頼れる日本のお母さん
○…日本に移住した外国人に、自信を持って社会に溶け込めるようにと始まった国際交流Seyaの会長。ボランティア団体として前身の「瀬谷発国際交流」を立ち上げてから、今年で発足20周年を迎えた。スタッフも生徒も主婦が中心で日本語を教えるほか、子育てや学校の話など公私にわたってアットホームな雰囲気で交流を深めている。
○…大学時代に英語を専攻し、卒業後は地元函館で1年間高校教員として英語を教えていた。「子育てをするなら自然がたくさんある場所に住みたい」と、結婚を機に夫の職場に近い瀬谷へ。学生時代から外国人との交流の場へ足を運ぶ機会も多く、区役所主催の国際交流会にも顔を出していた。ある時日本の母親と同じように就学前の娘に日本語の読み書きを教えたいと悩んでいるブラジル出身の人がいると耳にした。他人の評価や重い責任から「ボランティアを起こすことは億劫だった」と当時を振り返るが、子を思う母の気持ちに心を打たれ会を立ち上げた。
○…「リンゴ1つ教えるだけでも苦労する」。自分の国の言葉を相手に伝えることは難しい。説明すればするほど日本語が並び、生徒の思考は余計に混乱するという。英語を交えながら説明もするが、「自分が見ても聞いてもわからない国に行ったときの気持ちになって」とスタッフへアドバイスを送る。この教室に通い自信のついた生徒が、PTAや自治会に参加するようになったという声が励み。「周りにも受け入れられ、日本に溶け込んでいることが何より嬉しい」と生徒の成長を温かい目で見守る。
○…祖父母とも教員で、父親も大学教授という教員一家。「もともと人に教えることが好きな家系かもしれない」と笑って話す。移住してきた外国の人たちに「日本を好きになってもらいたいし、そのために出来る限りベストを尽くしたい」と話す。Welcome to Japanの精神を持つ日本のお母さんだ。
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