瀬谷消防署 中学校で初めて防災教室 救助訓練やAED講習も
瀬谷消防署は「次世代の地域防災の担い手を育成」することを目的に、8月28、30日に原中学校で防災・減災教室を実施した。講習の後、活動の報告会を9月12日に開催。消防署と中学校が連携を取るのは区で初の試みだ。
瀬谷消防署(大山潔署長)ではライフステージに応じた防災・減災教育の一環として、中学生を対象に防災教育を行いたいとし、区内の中学校に呼びかけていた。原中学校(高橋良裕校長)の保健委員会では生徒から「人を助ける技術を学びたい」という意見が多数出ており、今年度の焦点を防災に定めていた。その旨を消防署に連絡し、今回の実施に至った。実際に災害が発生した時でも同様の活動ができるよう、講習では同中学校の防災備蓄庫に入っている資機材(AEDを除く)を使用して行われた。
講習会は同校の保健委員49人が参加。1日目は資機材の取扱いとして、初期消火箱を活用した初期消火の方法や自動車ジャッキを活用した救助訓練など、消防署員から指導を受けた。2日目は救命講習としてAEDの取り扱いについて学び、人形を使って心肺蘇生を実践した。生徒たちからは「心臓マッサージを2分続けるのは大変だった」や「人工呼吸の息がなかなか入らなかった」、「消火訓練では、ホースの水の勢いがすごくて驚いた」などの声が聞かれた。
報告会では2日間の活動のほか、講習前に保健委員会が全校生徒を対象に実施した防災に関するアンケート結果を発表し、消防署と情報を共有した。「自分の家には、災害に備え必要なものが十分準備されていると思うか」の問いに、2割の人が「十分ある」と答えたが、反対に2割の人が「あまりない」、1割は「全くない」と答え、災害への不安が残る結果となった。
瀬谷消防署は長期的な視点に立った防災・減災教育体制を確立する必要があるとし、今後も「次世代の地域防災の担い手を育成することに力を入れていきたい」としている。
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