秋の褒章で黄綬褒章を受章した 菅原 幸男さん 宮沢在住 63歳
筋金入りの機械工職人
○…「チームワークでいいものを作ってきた結果。工場の代表として自分がもらっていいのか」と照れ笑い。大型電気機器を主力製品とする重電機メーカー、富士電機(株)川崎工場で水力、火力の発電プラント技術部門の機械加工に40年近く従事してきた。現在は現場を退き、業務を大局から見てコストダウンに努める。秋の褒章で受章した黄綬褒章は、1つの業務に精励し、他の模範となる人に授与されるものだという。
○…吃音症を抱え、学生時代は人前で本も読めず、会話も苦手で逃げてばかりいた。「1人でもできる仕事に就こう」と工業高校を卒業。入社案内に書かれた海外派遣の文字に惹かれて同社に入社し、まもなくドイツに2年間派遣された。現地は完全歩合制で「いい刺激になった」と話す。「本場の技術を学ぶことはできたが、会話はドイツ語ばかりでコミュニケーションをとるのが大変だった」と当時を振り返りながら、苦笑いを浮かべる。
○…プログラムで作業する昨今と違い、入社当時は手作業の汎用加工。自分の腕一本で作業効率が左右していた。「一人前になるには10年かかる」。先輩の言葉に習い、「早くノウハウを身に付けたかった」と慣れない特殊加工も積極的に挑戦した。会社の方針で火力発電の新たな機械加工が決まった時は、高額な材料費がかかるため失敗できない中、ドイツなどで培った経験を生かし、率先して行動。適切な判断で成功へ導いた。電気をつくる仕事のため、街でイルミネーションを見ると「少しは貢献できているかな」と満足感に溢れた表情で語る。
○…妻と娘2人の4人家族。青少年指導員を4年務めるなど、地域に貢献しながら瀬谷を見てきた。最近は社員に誘われて始めた詩吟に夢中。「カラオケと違って音程を気にしないし、大きな声を出すと風邪を引きにくくなる」。定年後の楽しみを見つけ、ハリのある暮らしが続くのだろう。
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