瀬谷の起業家に聞く 水書道で文字教育 ふでともかきかた教室代表・前原洋子さん
昨年4月に幼児期の文字教育に焦点を当てた「ふでともかきかた教室」を開校、代表を務める。横浜市内で新規事業を立ち上げる事業者などがビジネスプランを発表する「横浜ビジネスグランプリ2014」で、女性起業家賞を受賞した。
中学校教諭として社会科を教えながら「書くことが好きだった」と仕事の合間に書道教室へ。趣味が高じて書写の授業も担当するようになり、高校の書道の免許も取得した。20年前の退職を機に自宅で始めた書道教室は、小学生からお年寄りまで幅広い年代が通う。
教室に通い始める子は小学2〜3年生が多く「既に間違った書き順や持ち方、癖のある子が目立つ」と話す。「小学生から文字を学ぶのは遅い」と考えるようになり、文字に興味を持ち始める幼稚園からの教育を注目するように。子どもの卒園と合わせて園に話を持ちかけたが「墨を使うことが敬遠された」と振り返る。模索する日々に転機が訪れたのは、書道教室で以前使用した「水書道」の存在。墨の代わりに水で書くことで、服が汚れるなどの心配がなくなり、園にも受け入れてもらえるように。筆で大きく書くことで「とめ、はね、はらいを確実に学ぶことができる」。大きな枠で字の特徴を掴んだ後は硬筆に置き換え、学んだことを定着させるのも特徴だ。
筆を使ったことで、子どもたちの興味や学ぶ意欲の変化を実感。「1人だけでなく、このやり方を広げていきたい」と起業を決めた。現在は瀬谷区、大和市、町田市内の4つの幼稚園で教室を開く。美しい文字を書くことだけでなく「近年の子どもに欠けている集中力・注意力・礼儀も学んでほしい」と期待する。
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