介護の仕事をしながら三味線でボランティア活動を続ける 小山 憲斗さん(本名 佐藤優斗さん) 瀬谷出身 28歳
「感謝されることが喜び」
○…阿久和東のリハビリ施設でケアワーカーとして働く傍ら、三味線演奏家として高齢者介護施設やケアプラでボランティア活動を続ける。「人から感謝されることが本当に嬉しくて」。ほぼ毎週末、演奏会で全国を飛び回り、つい先頃はNHKホールで行われた日本民謡フェスティバルにも参加した。今月31日には三ツ境で初の単独ライブを行う。「嬉しくて恥ずかしくて、ワクワクした気持ち」と自然に笑みがこぼれる。
○…祖母の葬儀で津軽三味線・小山流総師範の小山貢憲さんに会ったのは8年前。実の叔父でもある小山さんと話したのはこの時が初めてだった。「今度遊びに来い」と言われ、軽い気持ちで始めた三味線。音楽にも楽器にも全く興味がなかった。当時一番興味があったのは小学校から始めたサッカー。それでも「弟子の中で自分が一番上手いと天狗になっていた」。そんなある時、師匠に同行した青森の演奏会で自分より年下の演奏を聴いて衝撃が走った。「とにかく上手くて。自分は今まで何をしていたのか恥ずかしい気持ちでたまらなかった」。その後、一念発起。毎日、休日は朝から晩まで練習を続けた結果、師範の名を手に入れた。
○…師匠に連れられて始めたボランティア。当初は弾く場所を求めていたようなものだった。「大して上手くもない自分の演奏をお年寄りの方がすごく褒めてくれた」。いつしか人に感謝されることが自分の喜びに。三味線が活かせて人に感謝される仕事に就きたい―。介護の道へと歩み出したのは自然なことだった。「介護の仕事は天職なんです」と幸せいっぱいの顔。
○…瀬谷出身。現在は大和市で妻と娘との三人暮らし。休日は2歳の娘との時間が「楽しくて仕方ないんですよ」と頬を緩める。「三味線は人生を変えてくれた大切なもの」。「誰が聴いても『良い』と思ってもらえる演奏ができるまで、一生かけて続けたい」迷いない強いまなざしで語った。
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