街に佇む古民家を始め、福島県会津若松市の老舗竹細工店や石川県金沢市の酒屋、トルコやイタリアの街並みまで――。各地の古い家々を中心に描く小滝濶(おたきひろし)さん(二ツ橋町在住)の水彩画展「ひろしのあの町あの家」が12月2日(火)まで、西区の横浜そごう9階・ギャラリーダダで行われている。
小滝さんが本格的に絵を描くようになったのは30年以上前。新婚旅行で訪れた北海道・留辺蘂町(るべしべちょう)の駅前で、電車を待つ間に風景をふと描いたところ、「妻が褒めてくれて嬉しかった」。小学生の頃から好きだった絵を再び描くようになった。
奈良県に旅行に行った時に見た、丸瓦の色合いや雰囲気に惹かれ、それ以来、古民家を好んで題材にしてきた。「家からは、そこに暮らす人たちの歴史や日々の営みが感じられる。旅行先を選ぶ時も、頭にあるのは絵になる古い家がありそうな場所。歩きながら『どんな人が住んでいるのだろう』と想像するのが楽しい」
奥行等を考え、現地で角度を変えて写真を撮り、厚みがあるフランス製の画用紙など、こだわりの画材で自宅に戻ってからじっくり仕上げるという。全体のバランスに気を付けながら、だんだん色を濃くするのがポイントだとか。
今回の展示会は2010年以来4年ぶり。訪れる人に向け「懐かしさや、古い建物の素晴らしさを味わってほしい」と笑顔で語った小滝さん。現在は1週間に1回、自身のブログで新作を発表し続けている。「今後は中国地方など山陰地方に足を伸ばしたい」。古い家々に対する興味と情熱が尽きることはなさそうだ。
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