11月に瀬谷公会堂で上演する創作劇「絹糸の記憶」の制作責任者を務める 山浦 和男さん 南瀬谷在住 72歳
「本物」に出合う体験を
○…瀬谷区民参加の創作劇「絹糸(いと)の記憶」の制作・企画を担当。瀬谷公会堂で11月20日と21日に行う公演に向け、目下準備中だ。今回は作・有吉朝子氏(劇団劇作家)、演出・森さゆ里氏(文学座)を招き、「一流の人に自分の才能を見てもらえる。瀬谷区の人に、本物に出合う体験をしてほしい」と熱く語る。オーディションは6月28日。「ワークショップ形式で楽しみながら行う予定。多くの人に参加してもらいたい」
〇…演劇との出合いは磯子区の根岸中学校時代。部活動が盛んだった同校で、友人と夢中になった。「当時磯子には演劇関係の人がたくさんいてね。街で何度か上演することもあったよ」と懐かしそうな表情に。18歳から劇作家に付き、さまざまな現場を経験。裏方として手伝いながら、出演することもあった。「芝居は総合芸術。そして皆、強いこだわりがある。本物と出合えたことで、自分には才能がないと気付けた」とキッパリ。青春時代を捧げた演劇とは一旦区切りをつけ、公務員の道へと進んだ。
〇…瀬谷区で創作劇を企画したきっかけは2001年に遡る。「アメリカで同時多発テロが発生した時、上瀬谷通信隊の警備が厳しくなり、ゲートも塞がれた。異様な感じだった」。歴史的背景など、自分が住む町について知らないことが多いと気づき、せやガイドの会や瀬谷地図くらぶの講習会に参加。会員の熱意に触れ、気持ちが動いた。「かつて瀬谷で主要な産業だった絹を通した物語を描きたい。これまでを知り、今後の土地の在り方を考えるきっかけになれば。エンターテインメントとして成功させたい」と意気込む。
〇…退職後に始めた俳句は日記代わり。月1回の勉強会では「良い作品を出さないと、というプレッシャーがある」と笑うが、季語の美しさに魅了され、常に発見があるという。「自己表現はずっと続けて行きたい」。本番に向け、挑戦の日々は続く。
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