インターネットで絵本を注文すると、無料で自宅まで届けてくれる―。三ツ境と阿久和で、NPO法人神奈川県インフォーマルサービス(石井直勝理事長)による絵本貸出サービス「空飛ぶ絵本」が始まって約1カ月。次第に取り組みが広がっている。
「空飛ぶ絵本」は、三ツ境・阿久和地域に住んでいる人なら誰でも利用可能なサービス。瀬谷区地域活性化事業として、今年9月から同法人が運営している。専用サイトから好きな絵本を2冊選ぶと木曜日に自宅へ届き、翌週の火曜日に玄関先に置いておくと、スタッフが回収してくれる仕組みだ。
「『本当に届くと思わなかった』という言葉をもらうこともあります」と笑って話す石井理事長。同法人は、手づくり朝市や健康歌声サロン、情報誌「地域のチカラ」の発行など、地域のコミュニティを支える活動をしている。瀬谷区は石井理事長が子ども時代を過ごした場所。ある時、朝市の会場となっている新聞販売店から、何か地域活動ができないかと持ちかけられ、以前から注目していた絵本のレンタルを思いついた。「販売店の配達ネットワークを生かせば、絵本を通して人をつなげることができる」。提供する絵本は、福音館書店に協力を仰いだ。学生ボランティアも企画から加わり、形になっていった。
当初は周りから不安の声もあったというが、リピート率も高く、手応えを感じていると語る石井理事長。「絵本が読みたくても経済的な事情などで読めない人にも届けたい」と意気込む。今後は、ラインナップの充実や、読み聞かせの開催も実施したいとしている。
「私設図書館」として表彰
大阪府立大学で10月3日、「マイクロ・ライブラリーサミット2015」が行われ、全国的にも珍しい活動だとして「空飛ぶ絵本」が表彰された。これは、小規模の私設図書館に携わる人たちが情報を共有しようと開催しており今年で3回目。石井理事長は「嬉しさと、まだ早いのではと恐縮する気持ちの両方がある。もっと広げていきたい」と話した。
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