区内の小学校で琴の授業を行う「下瀬谷箏(そう)の会」代表の 広瀬 満(みつる)さん 本郷在住
琴の魅力を次世代へ
○…「体験することは大事。本物を目の前にすると、子どもたちは夢中になっているね」と嬉しそうに語る。毎年秋には、瀬谷さくら小と大門小を訪問。「下瀬谷箏(そう)の会」の講師や仲間とともに、10年以上琴の魅力を伝え続けている。これまで琴に加え、ギターや三味線など弦楽器に魅せられてきた。魅力はずばり「音の響き。聴いても演奏しても良い」。趣味はいつしか教育現場へとつながり、次世代との交流が生まれている。
〇…中屋敷出身。実家は農家で、10人兄弟の8番目として育った。幼い頃、霜が立つ時期にやっていた「麦踏み」。畑を歩きながら、兄や姉に百人一首や歌、文学を教わった。「勉強が好きな一家だったね」と懐かしむ。横浜商業高校から明治大学へと進学。ある時、学校内で心地良い音が聞こえてきたため部屋を覗くと、同大出身で音楽家の古賀政男氏が、学生を前に指揮をとる姿を発見。その様子に刺激を受け、ギターを始めるきっかけとなった。「この大学に入って良かったと思った」と当時を思い返す。
〇…琴との出会いは中学生の頃。映画の中で、女優の若尾文子が琴を弾く場面を見て感動。「琴の場面しか残っていないくらい印象的だった」。その後すぐには習う機会に恵まれなかったが、就職した会社に「琴部」があることを知り入部。休日も費やし、あっというまに練習曲をマスターするなど没頭した。会に入るきっかけは広報で見かけた募集。「流派は関係ない」という講師の言葉に後押しされ入会を決意した。活動を始めて約20年。現在、会員の中で唯一の男性だ。月2回、仲間たちと練習に励む。
〇…最近はカラオケの時間も充実し、1年で新曲約200曲を覚えるほど。「頭を働かせておかないとね」と笑うが、何事にも貪欲な姿勢が垣間見える。老人ホームでのギター弾き語りや、来年夏に控える音楽会など、さまざまな活動を通して、自身が夢中になった音楽の魅力を届けていく。
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