二ツ橋南公園の集会所で月1回、「南部寄席」が行われている。高座に上がるのは『二ツ橋亭平楽』こと平久江(ひらくえ)勝彦さん=人物風土記で紹介。5年ほど前からこの寄席で、地域の人を前に落語の面白さを伝えようと奮闘中だ。
普段はアマチュア落語家として、瀬谷区や周辺地域のケアプラザ約40カ所のほか、グループホーム、老人福祉施設、時には神社や公園などでもボランティアで落語を披露する平久江さん。活動のきっかけは、定年退職後に区民活動センターに登録し、地域の施設などを紹介してもらうようになったことだった。それらと並行して、二ツ橋南公園で約5年前から行っているのが「南部寄席」だ。落語以外にもカラオケなど、地域住民の発表の場となっているという。
現在の持ちネタは10前後。「時そば」「金明竹」「芝浜」「火焔(かえん)太鼓」などの古典落語に、独自の工夫を盛り込んでいる。例えば、得意とする演目「饅頭恐い」には、明治時代の人形浄瑠璃「壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)」を浪曲として取り入れ、聞く側が硬くなり過ぎず楽しめるような演出をしているという。さらに平久江さんのこだわりは、登場人物の声色にも。男女や大人、子どもなどの区別は「何度やっても難しい」というが、観客を引きつけるための工夫として欠かせない。「プロもアマチュアもあまり関係ないと思っている。やるのは同じ落語だから」。「南部寄席」では高座に上がって約30分、一人のアマチュア落語家として演じ切る。
始めた当初に比べ、現在は観客が少ない状態。平久江さんは「瀬谷区でこうして落語をやっているところがあると知ってくれれば嬉しい。出来る限り自分も続けていきたい」と話した。
「南部寄席」は毎月第3日曜日の午後2時から。問い合わせは平久江さん【電話】045・363・3198へ。
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