東日本大震災で被災した岩手県大槌町に、定置網漁船「瀬谷丸」を贈った「三陸沖に瀬谷丸を!」実行委員会が3月5日、瀬谷公会堂で解散式を行った。同時に、今後はNPO法人として活動していくことを報告。集まった500人を前に、これまでの感謝と継続的な協力を呼び掛けた。
同実行委が立ち上がったのは2012年3月。区内の有志らが被災地で炊き出しを行った際、現地の漁師から「漁がしたくても船がない。船が欲しい」という思いを打ち明けられたことがきっかけとなった。約3カ月かけ、区内で募金活動を実施。集まった3625万円が漁船「瀬谷丸」建造費の一部に充てられ、13年秋のサケ漁から操業を開始した。その後も大槌町で獲れた魚を「そうてつローゼン三ツ境店」で販売するなど支援を続けてきた。解散式では同実行委のメンバーが登壇。露木晴雄会長は「皆さんのご協力が形になりました。お力添えありがとうございました」と感謝を述べた。
活動継続し 交流深める
同実行委はこの日をもって解散し、発足から4年間の活動が終了した。今後は、被災地の現状に合わせた幅広い活動を行っていくため、「NPO法人瀬谷丸」として支援を継続する。「瀬谷区と大槌町の交流をさらに深めていく」と設立趣旨が読み上げられると、会場は温かい賛同の拍手に包まれた。
式には平野公三大槌町長、平野榮紀新おおつち漁業協同組合長、大槌町で居酒屋を営む柏崎浩美さん、美香子さん夫婦らが出席。柏崎さんは「大槌は6、7割が仮設住宅。先を考えると心が折れそうになることもあったが、皆さんから元気をもらってきた」と明かし、「今後も交流が続くのは嬉しい」と笑顔で話した。
瀬谷丸の船員に帽子を編んで贈ったという瀬谷区のニットサークル「ニットすみれ」の佐々木はつ江さんは、「何かできないかと思い協力した。活動を見守っていきたい」と話した。
露木会長は式を終え、「当日参加してくれた方以外にも、協力してくれた皆さん全員に感謝したい」と話し、「これで一つの区切りがついた。次は第2のステップ。引き続き頑張っていきたい」とし、NPO法人としての活動に力を入れていくとしている。
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