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ふるさと納税 返礼品に「一日乗車券」も 減収48億円で市が新事業

経済

掲載号:2017年3月30日号

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 「ふるさと納税」制度の影響による横浜市の市民税減収が2017年度に約48億円まで膨らむ見込みとなっている。こうした状況を受け、市では税収流出に歯止めをかけようと、みなとみらいエリアの市営バス・地下鉄の一日乗車券など「簡素な返礼品」を導入するなど、制度の見直しに着手する。

 ふるさと納税制度は自治体に寄付をすることで2000円を超える部分につき所得税、個人住民税が控除されるもの。生まれ故郷など住んでいる地域とは別の自治体への寄付も控除の対象となるため、「地方創生」を掲げて2008年から全国で広がった。

 自治体によっては寄付者に特産物などの「返礼品」を用意し、地元のPRを兼ねて寄付を呼びかけるところも多い中、横浜市では市民が応援したい事業を選んで寄付をする「横浜サポーターズ寄附金」制度を導入。以来、返礼品は用意せず、寄付者には各事業の報告書送付や、報告会への招待といった対応にとどめてきた。

 だが近年はふるさと納税の普及と返礼品競争の過熱を背景に、横浜市からの税収流出が大幅に拡大。市の市民税の減収は、15年度に約5億円だったのが16年度は全国ワースト1位の約30億円にまで拡大、17年度はさらに額がふくれ約48億円の減収が見込まれている。

 これに歯止めをかけようと市は17年度から同制度の見直しに着手。1万円以上の寄付に対して横浜駅からベイエリアの市営バス・地下鉄一日乗車券「みなとぶらりチケット」2枚を用意するほか、「動物園の充実」など対象事業を9種増やして「動物園年間パスポート」などを提供する。

 神奈川大学経営学部(財政学)の青木宗明教授は「ここまで税収減が大きくなれば、市としては何もしないわけにはいかないが、都市部の横浜市が返礼品競争に加わるのも品位がない。そういった板挟みの状況でのかなり苦しい対応では」と分析する。過熱する返礼品競争については総務省も問題視しており、高額な返礼品や寄付額に対して返礼割合の高い特産品の送付を控えるよう全国の自治体に呼びかけている。

 横浜市財政局の担当者は「市営交通の一日乗車券であれば、市内外の人に横浜を周遊してもらう機会にもつながる」と期待を込める。

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