女性として唯一人、瀬谷消防団の本部部長を務める 市川 マサ子さん 宮沢在住 68歳
女性消防団員の道、拓く
○…65人の女性が所属する瀬谷消防団。全団員(293人)の22%を占めており、地域の安全・安心に欠かせない存在になっている。5月28日には初期消火器具の取り扱い訓練を行い、日頃の練習の成果を披露した。6月下旬には男性団員との合同指導・訓練会も予定されており、技術向上に余念がない。
○…瀬谷区で女性団員が誕生したのは1998年。発足メンバーは、自身も含めて15人だった。「何も分からなかった」というなかで始まり、最初の頃は苦労も多かったそう。女性団員が現在のように当たり前でなかった時代、その存在を疑問視する人もいたという。基本かつ最も重要な礼式を学ぶための「厳しい」指導も受けた。「専業主婦たちが一から学んで。とにかく大変だったけれど、仲間がいたから頑張れました」と振り返る。2016年度に、本部部長に就任。現在は女性の意見を組織に反映させる立場として、団運営に参画する。その一方で、所属していた分団の練習に足を運んでは、後進育成に努めている。「入団したから、色々なことを体験できた。地域の人から『頑張っているね』と声をかけられたりして嬉しい」
○…子どもは独立して、夫婦2人暮らし。団活動について夫は「ノータッチ」。いつも忙しく飛び回る姿を、静かに見守ってくれているそうだ。趣味は家庭菜園で、今は夏野菜。収穫した作物を、近所や消防関係者にお裾分けすることが恒例となっている。
○…モットーは「おかげさま」。「今の私があるのは、縁あった多くの人たちに支えられたから」と、周囲への感謝の気持ちは尽きない。だからこそ、自身も団員を支える「縁の下の力持ち」でいたいと考えている。今後の目標は、仲間をさらに増やすこと。最近では働きながら活動する人も増えてきたという。「多くの人にお会いして、女性団員の意義ややりがいを伝えたい」と意欲を見せている。
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