瀬谷市民の森を流れる和泉川源流でこのほど、藻の一種である「ヒカリモ」が発見された。周辺で生態系を観察している中村多加夫さん=相沢在住=が7月24日、川を覆うトンネル内で、日光を反射し金色に光る様子を確認。中村さんによると「瀬谷区で目にしたのは初」という。
「和泉川源流を楽しむ会」の一員として、月1回の観察会などを行う中村さんがヒカリモを発見したのは7月24日。東野第五公園向かいに位置するグラウンド付近のトンネルを、体験学習の下見で訪れた際、水が枯れた川底に光る藻を見つけた。中村さんは、「(ヒカリモは)知っていたが、見るのは初めて。こんなに光っているとは思わず驚いた」と発見当時を振り返る。自宅に戻って調べたところ、発生状況や特徴などからヒカリモだということが分かったという。
発生条件揃う
ヒカリモは、黄金色藻網に属する淡水産の微細藻の一種。洞窟や木陰の水溜りなどで発生し、光を反射することで黄金色に輝く特徴がある。日本国内では、千葉県富津市竹岡で発生するヒカリモが国の天然記念物に指定されているほか、兵庫県や長野県など各地で見られ、文化財として保護されている例も多い。
今年は例年に比べ雨量が少なく、和泉川源流は渇水状態に。水の流れがなかったため藻が発生し、定着した可能性があるという。さらに、トンネルは両側から日光が入るようになっており、反射して光る様子を確認しやすい環境になっている。これらの条件が揃ったことが、発見につながったと中村さんは分析する。
28日にはトンネル内だけではなく、市民の森の水路でも発生を確認した。
中村さんは和泉川源流を楽しむ会のほか、瀬谷環境ネットのメンバーとしても活動。瀬谷区を中心に植物や生物を撮影し、日々記録している。「知らない生物を発見したらまず写真を撮り、インターネットなどで似たような特徴を持つものがないか調べ、絞り込んでいく」という方法で調査を進めてきた。ヒカリモについて、「(30日に)川の水量が回復し、入口以外は残っていなかった。今後繁殖するかどうか、来年はどうなるか、観察していきたい」と話している。
7月31日起稿
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