「外国人防災講師」がそれぞれの母語で指導する、外国人向け防災講座が6月1日(土)に細谷戸第一集会所で開催される。日本語ではなく外国語で情報を伝えることでより理解を深めてもらおうという、瀬谷区初となる試みだ。
講座を主催するのは、福祉事業所や保育施設、ボランティア団体などが加盟する「Seya防災ネットワーク」の分科会である「ピンチをチャンスに!減災共助の会」。子育て中の外国人を同じ国の人が支援する「通訳・翻訳グループカムオン・シェシェ」や、瀬谷消防署が協力する。当日の「外国人防災講師」は中国のキ・セイさんとセツ・ホウホウさん、ベトナムのダン・ティー・トゥーさんとグェン・ティ・ハインさん。日本語を話すことができる4人は昨年5月、同署の職員による講習会に参加し、救命処置、火災や災害から身を守る術などを学んだ。
講座は1日午前10時から正午まで同集会所(瀬谷町5810の5)で、外国籍の人と子育て中の親子などを対象に開催(参加無料/申し込み不要)。講師の4人が中国語とベトナム語を用いて、心臓マッサージや止血の方法、AED(自動体外式除細動器)の取り扱い、救急車や消防車の呼び方などを指導する。また、火災発生時の対応として初期消火や避難の方法を説明。災害備蓄品の展示、消防車の乗車体験(10時〜11時)もあるという。
災害の備え課題
同署によると、区内の外国人登録者数は1832人(2019年4月)。国別では中国(516人)が最も多く、ベトナム(382人)、フィリピン(232人)と続く。
区内で暮らす外国人が年々増えるなかで、課題の一つが防災対策だ。カムオン・シェシェの金子真澄さんによると、約5年前に多言語子育て情報発信プロジェクトの一環として実施したヒアリング調査で、災害時の対応がよく分からないという声が多く挙がったという。講師の1人であるキさんも「地域の防災訓練に参加することもなく、地震があったら(周囲が)助けてくれると思っていた。避難所に行けば大丈夫だろうと思い、備蓄品も持っていなかった」と振り返る。
初の講座に向けて、「1人でも多くの人に防災情報を教えたい」とキさん。ダンさんは「講座で人とのつながりを作って下さい。色々な情報を知ることができるようになる」とし、グェンさんは「将来は日本語を身に付けて、自分たちで防災や子育てのことを学べるようになって欲しい」と期待する。減災共助の会の世話人の1人である飯吉明子さんは「最初は災害に対する危機感を持つことは難しいかもしれませんが、まずは講座に参加してもらえれば」と呼びかけ、金子さんは「身近に日本語を話せない外国人がいたら、ぜひ講座について教えてあげて欲しい」と話す。問い合せは同署予防課【電話】045・362・0119。
瀬谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|