第55回神奈川県看護賞に、阿久和南の横浜相原病院で働く古口(こぐち)尚美さん(62/阿久和南)が選ばれた。精神科看護師として患者の社会復帰に長年尽力した点に加えて、東日本大震災の被災地での医療活動や、看護学生の教育などが高く評価されたもの。
災害時医療や後進育成も
県看護賞は看護師や保健師などの業務に励み、顕著な業績を上げた人を称える制度。今年は古口さんを含めて看護師7人、保健師2人、助産師1人、計10人が選ばれた。例年は看護の日(5月12日)に合わせて贈呈式が開かれていたが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために中止となった。
精神疾患の治療などを行う横浜相原病院。古口さんは同病院で、病棟看護や外来など約25年にわたり働いている。10年ほど前からは看護部長として管理や育成も担い、今年3月からは同病院が運営するグループホームのサービス管理責任者も務めている。精神科看護について、「患者さんご自身も気づいていない可能性を見つけて、一緒に伸ばしていく。それが達成できた時の喜びが何よりのやりがいです」と笑顔で説明する。
災害時医療にも携わり、東日本大震災の時は心のケアチームの一員として福島県へ。避難所で暮らす被災者や、災害現場で活動する消防士などのメンタルケアに取り組んだ。また、経済連携協定(EPA)に基づくフィリピン人の看護師候補生の育成や、看護学生の臨床教育にも貢献してきた。
受賞については「素敵な仲間に囲まれ、恵まれた環境で働くことができたからです」と感謝の気持ちを抱く。また、「今後も初心を忘れることなく、さらに地域にとっての『良病院』になれるよう精進していきます」と意気込んでいる。
瀬谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|