瀬谷区文化協会が主催した花づくりの体験講座の講師を務めた 高橋 トミさん 三ツ境在住 79歳
可憐な花に癒されて
○…新型コロナの影響で中止となった文化祭の代替で企画された、花づくり体験講座。受講者に「楽しんで活けて」「空間を大切に」などと呼びかけながら指導した。「可憐で癒やされる」という花の魅力が多くの人に伝わるようにと、普及に努める日々。池坊華道の指導者としても約45年活動しており、花に対する愛情を持つことを弟子たちに強く訴えてきた。
○…栃木県の出身。華道は親に勧められて中学時代から習っていたが、当時は熱中することはなかったという。転機は、結婚して移り住んだ瀬谷区で、長嶋翠玉さんに師事したこと。知識や技術は勿論、人間としてどう振る舞うべきか多くのことを教わったという。「7人兄弟の末っ子だから、当時は我がままで。先生に出会えて人生が変わったの」。半世紀にわたり華道を続け、池坊横浜靄生(あいせい)会支部長や横浜華道協会理事などを務める今でも、変わらぬ敬愛の念を抱いている。
○…「とにかく良い人だったの」と懐かしむのは、2年前に亡くなった夫の武夫さん。職場で出会い結婚し、活動の最大の理解者だったという。44歳から30年ほど、京都の池坊学院に通っていた頃は新幹線ホームまで迎えにきてくれたり、華展の力仕事を手伝ってくれたりと、陰日向になって支えてくれた。
○…1981年に現在の瀬谷区文化協会に入会し、2016年に副会長就任。華道部としては美化運動の一環で約40年間、三ツ境駅に作品を展示している。コロナ禍を「寂しい時代になった」と憂う一方で、花を通じた貢献を模索する。「お花を観たり、もらったりして、悲しみ、怒ったりする人はいないと思うんです」--。一輪挿しでも生活に彩りが添えられると信じて、これからも歩んでいく。
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