いよいよ竣工した瀬谷駅南口の再開発ビル「Live(ライブ) Gate(ゲート)瀬谷」。再開発に向けた街づくりの動きは、地域住民らによって1980年代前半に始まった。この40年弱に及ぶ計画の変遷や完成を迎えた率直な思いを、瀬谷駅南口第1地区市街地再開発組合の川口安徳理事長にインタビューした。
区域と組織変遷
街づくりの機運が芽生えたのは約37年前。当時は瀬谷駅北口の区画整理が計画されていた頃で、これに触発された南口の町内会などがアイデアを出し合ったそうだ。「この活動が、今に続く再開発の原点だと思います」と川口理事長は語る。
1991年には「瀬谷駅南口街づくり協議会」が発足し、組織的な街づくりが始まった。事業区域は当初、瀬谷駅南口から厚木街道に至る約30ヘクタールと広大だったが、協議を経て駅周辺に限定することになり、99年に「瀬谷駅南口A地区再開発協議会」が設立。さらに、2010年には「瀬谷駅南口A地区第1街区再開発準備組合」が発足し、事業区域が現在と同じ状態になった。
「事業区域と組織が変遷した時代」と川口理事長。80年代から2000年代にかけての取り組みが、再開発を進める上での大きな土台になったという。計画に携わるメンバーも移り変わり、自らを「第2世代」と表現する川口理事長は、「街の発展を目指した先輩方の想いと取り組みがあってこそ、今があります」と感慨深く語る。
地権者の理解得て
都市計画決定(15年)を経て、16年末に再開発組合が設立。18年には、再開発における地権者の権利内容などを定める重要な法手続きの「権利変換計画」が、82人という地権者全員の合意のもと認可された。「(権利変換計画に)ご理解いただいた地権者の皆さまに、心から御礼を申し上げます。生まれ変わる街に住み続けるのか、住み慣れた街を離れるのか。それぞれが大きな決断をしました」と川口理事長。なかには70年以上住んだ街を離れることを決めた人もいたという。
再開発ビルの竣工にあたっては、「感無量です」とコメント。また、「私たちの先輩や地権者の皆さま、関係各所の方々のご尽力があってこそです」と周囲への感謝の気持ちを述べた。
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