神奈川県の「シニア起業家ビジネスグランプリ2019」で、「水書道」を取り入れた習字教室を数多く展開する(株)筆友(ふでとも)会の前原洋子さん(下瀬谷・58歳)=人物風土記に関連記事=が、県知事賞に輝いた。幼児期における文字教育への貢献などが受賞につながり、2月6日にはパシフィコ横浜で表彰式が行われた。
幼児期の文字教育を重視
同グランプリは、おおむね55歳以上の起業家や事業を興そうとしている人を支援するため、2016年度に始まった。起業から10年未満の「ベンチャー」と、起業予定の「アイデア」の2部門がある。今年は応募69件のなかから、各部門で3件ずつ受賞者が選ばれた。前原さんはベンチャー部門で県知事賞を獲得した。
「水書道」は、墨ではなく水で文字を書く。使用する半紙は町田市の会社が手掛ける「水書きグー」という特殊な品。水で書くと色が付き、乾くと消える特徴があり、墨で服や部屋が汚れる心配がない。前原さんは、幼児期に習字を始める子どもが少ない実態を憂慮して2013年、水書道を学び硬筆にも活かす「筆友会 ふでともかきかた教室」を立ち上げた。
現在は、各地の幼稚園などで正課・課外合わせて29教室を運営。登録講師は約35人を数え、筆友会のカリキュラムで指導している「パートーナー教室」が8カ所ある。
13年の事業開始から5年間を基盤固めの時期として教材やカリキュラム、講師の充実に努めた。これからは事業をより広げていく意向で、昨年10月には法人化を果たした。
受賞で気持ち新たに
筆友会の設立前から、書道教室を経営している前原さん。その経験から、文字を覚え始める、おおむね4歳前後の文字教育の重要性を訴える。この時期に、間違った筆順や癖を身に付けないことが重要だという。毛筆で書くことによって、正しい文字の形や、鉛筆では捉えにくい「はらい」や「とめ」などを学べると説明する。
受賞について「これまでの取り組みが認められて嬉しいです」とし、「支えてくれた登録講師、幼稚園や保護者の皆様のおかげです」と感謝の気持ちを話す。筆友会では今後2年間で教室数を170に増やすことを目指しており、「これからも多くの人の理解を得られるよう活動を続けていきます」と意気込んでいる。
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