5月の端午の節句に子どもの健やかな成長や米の豊作を願い揚げられた「相模凧」。材料となる真竹の減少や製作技術の後継者不足、凧揚げできる場所の減少などにより、その姿が近年は見られなくなってきた。この泉区伝統文化を残そうと、相模凧和泉保存会が再発足し、今年度から本格的に活動を再開している。
相模凧は約400年前、相模国一帯で揚げる風習があったもので、正方形をしているのが特徴。かつては、武者絵などを主とした絵柄の中に初節句を迎える子の名前を書き入れた凧を、父や祖父が揚げていた。
同保存会は昭和50年に発足し、天王森泉公園周辺などで活動。12畳の大凧を10人がかりで揚げることもあったが、メンバーの高齢化もあって凧づくりが難しくなり、近年は活動を中断していた。
「幼い頃に聴いた凧を上げる時に出る、うなりの音と響きが体に残っている。聴こえないのは寂しい」と、保存会の活動を再開したのが「NPO法人Dream eggsゆめたま」代表の相川健志会長(33)だ。
相川会長は、地域のホタルを保全して子どもたち対象の観察会などを行う「環境教育」や、地域や学校などビオトープを造成して地域の自然環境を知ってもらう「生態系の保全・復元」、そして相模凧など地域に残る「伝統文化の継承」などの活動を行っている。
保存会のメンバーは8人。旧保存会にいた清水幸男副会長や凧の製作技術を持っている原町内会の地域住民、相川会長の友人らで構成されている。
5月には複数の飾り凧を揚げる予定で、昨年11月〜1月にかけ、凧づくりに必要な真竹を区内で切り出して干しているほか、凧を飾る絵を描き続け、相模凧が空に舞う日を待つ。
同保存会では凧製作メンバーや竹の切り出し、搬入などの協力者を募集している。詳細は相川会長【電話】045・777・4156まで。
もちつきで展示
同保存会と同法人は12月18日、泉区産のもち米を使用したもちつき大会を下和泉青年の家で開催。大人から子どもまで、もちつきを楽しんだ。ここでは相模凧の展示や活動紹介のほか、竹細工体験や作品展示なども行われ、訪れた人を楽しませた。
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