大槌町からのお手紙を読みながら嬉しくて涙が止まりませんでした――。手芸や絵手紙を楽しむ台村ふれあいサロンゆうゆうの三橋松江さんは、月1回発行している会報の号外で、昆野安子さんから届いた手紙の全文を掲載した。
3・11東日本大震災の後、最初の冬を迎える被災者のために、何かできればと考え、ルームソックスを11月に30足送った。メンバーの母親から編み方を教わり、暖かかく履いてもらえるよう、100%〜80%の毛糸を使った。数カ月はき続けると、かかとに穴があくだろうと、修繕用の毛糸針と摩擦に強いアクリル毛糸を添えた。
昆野さんからの手紙は翌年3月2日に届いた。大槌町の集会所に冬物衣料などの支援品が並ぶ企画があり町内外から約300人が訪れたこと、昆野さんの自宅近くギリギリまでガレキや津波が押し寄せたこと、職場がなくなったこと、被災した仲間のために毛布や衣類を避難所に運んだこと、被災当初は自分たちは最低限のものがあればよくもったいないとか言っている場合ではなかったこと、そしてルームソックス寄贈に対する感謝の言葉などが記されていた。
手紙や被災地の状況を伝える写真は3月9日に行われたボランティアフォーラム会場で展示した。
三橋さんと昆野さんのやりとりは続き、避難所でないと支援物資が届かないこと、3日間飲まず食わずだったことなどがわかった。
今年の正月、昆野さんの娘が横浜市内在住で、出産したのを機に孫を見に訪れた昆野さん夫婦と藤沢で会う機会があった。三橋さんは昆野さんの印象を「気持ちのいい方で、優しい」と話す。
ルームソックスは昨年末にも50足贈った。昆野さんは学用品がほしいと言っていたといい、三橋さんはどのように集めたら良いかを考えている。
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