横浜市松風学園の園長で11月10日に「松風まつり」を開催する 内田 孝司さん 栄区在住 59歳
ふれあいを大事に
○…市内唯一、上飯田町にある公立の知的障害者支援施設「松風学園」の園長。「泉区は地域にあたたかく見守られていることを感じる」と就任3年目の実感を話す。創立から50年以上経ち、利用者の高齢化や施設の老朽化など課題はあるが、利用者1人ひとりのことを第一に考える姿勢は変わらない。利用者と握手したときの「手に伝わる暖かさが印象的」と穏やかな表情を見せる。年間を通して地域との交流事業など様々な行事を行う中、11月10日には恒例の「松風まつり」を開催する。利用者が施設内の農園で作った野菜や手作りの小物を販売するほか、上飯田中学校の吹奏楽部による演奏など、地域一体となった行事を目指す。
〇…藤沢市出身。小学校1年で栄区へ。品評会に出すため父親が自宅で育てていた10頭の秋田犬の散歩を手伝うなど、幼い頃から動物と触れ合った。大学は農学部の中でも応用昆虫学を専攻。害虫に対する薬剤の効果など、研究に没頭する日々を過ごした。
〇…大学院を経て市職員となり、農業や福祉の専門分野を担当。その後、事務職へと仕事のフィールドを変更した。「広い視野を持ちたいと考えた。専門職は究める面白さがあるが、別の見方も身につけたいと思った。事務の勉強は楽ではなったけれど」と苦笑する。金沢動物園では2008年から園長を務め、11年に再び福祉の現場へ。「若い職員には専門職と事務職の両方を経験した者として、広い視野を持つように伝えている」と話し、自身の経験を踏まえ指導に当たる。
〇…自宅の趣味部屋には蝶の標本ケース等が所狭しと並び、お気に入りだというモルフォ蝶やトリバネアゲハの名前を挙げ「生き物とふれあうと、その力強さ、血が通っていることを実感する」と生き生きした表情で話す。松風学園では利用者が動物と接する機会を設けるなど、今までの経験や知識を生かした取組みを形にしようと、模索していく。
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