泉区版 掲載号:2014年11月20日号
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市産後ケア事業から1年(下) 支援訴えるも申請下りず

社会

 横浜市が昨年10月に開始し、来年3月で終了する「産後母子ケアモデル事業」。委託先である市内8カ所の助産院で母子をサポートする。今年8月までに167人が利用。母親の育児不安軽減に一定の効果が確認されている。しかし、支援が必要と訴える母親全てが利用できるわけではない。

 同事業の対象は、産後4カ月までの母親とその子ども。そのほか、【1】横浜市民である【2】家族などから産後の援助が受けられない【3】育児不安等が強く支援を必要とする【4】母子ともに医療行為が必要ない、の4つの条件を満たす必要がある。

 今年7月に36歳で第一子を出産した女性は9月、助産師との面談後に申請を差し戻されたという。実親は県外におり、夫の両親からも援助が受けにくい状況下、乳腺炎で不安な日々を過ごしていた。「平日は家に1人。乳腺炎で体が辛く、初めての子育てが不安で考えこむことも多かった」と振り返る。面談当日は、たまたま仕事の融通がついた夫が心配して同席。その一回で、家族の支援があると判断されてしまったという。区役所の窓口で育児不安を訴えて申請を希望しても、保健師や助産師との面談の前に「経済力や経験があるから」「そのレベルで申請するものではない」と断られたケースもある。このほか「産後の身体で役所に申請に行くのはハードルが高い」「判断基準が分からない。助産院からの推薦で利用できるようになれば」などの声も挙がっている。

 市こども青少年局こども家庭課は「きちんと家庭訪問して判断している」とする一方、HP(ホームページ)のほかに広報は行っておらず「周知の必要性は感じている」と課題を挙げる。だがあくまで”モデル事業”で「公費を使う。3万人が生まれる市で、全員が使うのは難しい」とも。「個々に合った支援をしたいが、夫婦で相談し産後に向けて準備することが重要」と強調する。市には新生児家庭訪問などのサポート体制もある。同事業の利用相談から産前産後ヘルパー派遣制度につなぐこともあるという。「買い物はネットスーパーを使うなど、民間のものと上手に組み合わせて使うべき」と話す。

来年度以降は未定

 それでも「困っている人全員が使えれば」という要望があるのは事実。市は効果や課題を鑑み、来年度以降に事業化するか検討する。

 一方、川崎市は10月、生後4カ月未満の乳児と母親全てを対象に「妊娠・出産包括支援モデル事業」を開始。自己負担額3から5割で、申請した母親は誰でも利用できる。「横浜では辛いのに使えない例も。現場だから拾える声もある。気軽に使える制度になれば」と市内助産院院長は訴えた。

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