伊勢原市の大山阿夫利神社(目黒仁宮司)で1月7日、1年の農作物の豊凶や天候等を占う「筒粥神事」が行われた。
筒粥神事は、大山山麓にある神饌田で収穫したお米で粥を炊き、壷に移した粥を「あわ」や「ごま」など18種の農作物の名を記した小さな竹筒ですくい、形の崩れていない米粒の数から作物の豊凶を占うもの。江戸時代から続いている。米粒の数は下一桁を採用。9が最良で、0が不良とされている。
当日は、神職2人が丁寧に米をすくい、筒に入った米粒の数を交互に読み上げていった。すべての結果を受けて目黒宮司は「早生7・中生6・晩生6とすべての米が中間の良い数字であることから、天候はおおむね順調なのでは」と総括した。一方で大麦や小麦が3、キミが2、ゴマ1となったことから「夏に大雨や日照りなどの変化がある可能性もある。急な変化に気を付けてほしいというお示しかもしれない」とした。
神事の結果は、古くは大山講信徒や関東一円の農業従事者の作付け目安となっていたという。今でも結果を記した筒粥表と詳細がまとめられ、大山講信徒を通じておよそ2万人の農業従事者らに配布されている。
区内を通る大山道
区内からもその美しい姿を望むことができる大山は、古くから信仰の山として栄えた。とくに江戸時代、庶民の間で大山参りが流行した頃には年間数十万人が訪れたとされている。
関東一円に及ぶ大山道は、大山に詣でる人々の通り道で、現在でも各地に石碑が残されている。
区内にも「柏尾通り大山道」が通っており、道標などが残る。現在は文化や歴史に触れる散策コースとしても人気を集めている。
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