区内の情報をHPで発信する「パソネット泉」の代表を務める 江尻 哲二さん 緑園在住 77歳
趣味よりもネタ探し
○…認知症講座や小学校の見守り計画など、福祉に関する活動を取材。原稿を自前のHPに掲載して福祉関連情報を発信することで、住みよい町づくりの一翼を担う。同団体は泉区社会福祉協議会が主催するHP作りの養成講座受講者を中心に、2005年に設立。「当時はメールを打つので精いっぱいだった」。今では会員が送る記事を個々にまとめて掲載するほか、福祉施設をはじめ、区内数カ所のHPを管理する。「団体一つひとつの思いを、客観的に、正確に伝えたい」
○…幼少期は太平洋戦争の真っただ中。都内で暮らすも空襲の中を逃げ回り、北関東へ集団疎開したこともあった。中学から大学まで続けた器械体操は高校時代に東京都で2位、全日本大会にも出場した。卒業後はメーカーに勤務。資材の仕入れや管理、広報など様々な部署を経験して「物事をいろいろな視点から見られるようになった」。日本語教師の資格を取得して中国で指導したこともあり、帰国後は上飯田で月に数度、外国籍の子どもたち相手に教えていた。
○…興味本位で参加した講座から10年。一月の半分は取材へ赴く日々が続く。メモは取らず、記憶したことをその日のうちに文字に起こす。昨年度HPに掲載した700件のうち、取材記事は半数近くに上る。活動は派生し、災害ボランティア連絡会の設立に携わるほか、区内90団体が加盟するボランティアネットワークの代表も務める。「各団体の報告が次のネタになるし、この年になって初めて知ることもある」。趣味に勤しむ時間がない勉強の毎日を笑顔で話す姿は、充実感に満ちている証拠だ。
○…健康維持の秘訣はウォーキング。取材先への徒歩移動は道中各施設への顔出しもでき、現場の声を聞きやすい。「HPを見るだけでもいい。福祉活動に取り組む人のきっかけになれば」。人びとが支えあう地域を願い、カメラを片手に今日も町を歩く。
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