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観光都市・横浜とムスリム(下) 多文化に対応する都市へ

文化

掲載号:2015年12月10日号

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 観光庁から2013年6月にムスリム(イスラム教徒)旅行者の受入環境を整備する拠点の一つとして選定された横浜市。多数の外国人観光客が横浜を訪れる中、現状では多くのムスリムがいるマレーシアやインドネシアからの来訪者が多いとはいえない。

 しかし、市では将来を見据えてムスリム旅行者が不自由なく滞在できる環境を整備していく考えで、これまでにウェブなどを利用した情報発信をはじめ、事業者を対象にしたムスリムの生活習慣を学ぶ研修、礼拝用のマット・コンパスの設置などを進めてきた。

 民間でもムスリムへの対応は少しずつ広がっている。今年9月には市内の大型商業施設としては初めて、中区の「横浜ワールドポーターズ」が訪日外国人に対応するサービスの一環として礼拝室を新設。同施設の担当者は「イスラム教に限らず、お祈りをする全ての人たちのために設置した」と話し、ムスリムを中心にすでに60人を超える人が利用しているという。

 市文化観光局の担当者は「ワールドポーターズの例だけでなく、マット・コンパスを設置する施設も増えてきて市内でもある程度環境が整い、理解も深まってきていると思う」と話す。一方で民間事業者の中には実際にそこまでムスリムが来るのか懐疑的な意見もあるといい、今後は受入環境整備に加えてさらに横浜を訪れてもらえるよう誘客にも力を入れていく。

モデルコース策定へ

 市がこれから進める新たな取り組みの一つが、ムスリム向け観光モデルコースの策定だ。食事や礼拝などに配慮しながらも、横浜を楽しめるようなコースを3つ以上用意する予定。さらに、食をテーマにした事業者向けの接遇研修やFacebookなどを活用したマレーシア・インドネシア国内へのPRにも、今年度中に取り組む方針だ。

 「外国からのお客さまに来てもらえることはありがたいこと。ムスリムに限らず、多文化へ対応できるように環境を整えていく」と同局の担当者。日本を代表する観光都市・横浜として、さらに多くの外国人観光客を受け入れるには先を見据えた対策が鍵となる。 (了)

田近淳 司法書士事務所

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