市民公開講座などを開く「横浜西部脳卒中地域連携の会」の会長を務める 板東 邦秋さん 和泉町在勤 62歳
患者のそばで地域とともに
○…「介護が必要となる最大の原因、それは加齢でも認知症でもなく、脳卒中(脳血管疾患)なんです」。一命を取り留めたとしても重い後遺症が残り、退院後のリハビリやケアを必要とする場合も多い。「今必要なのは、地域で完結できる継ぎ目のない医療」と語気を強める。37の施設からなる横浜西部脳卒中地域連携の会では、医療機関だけの「医療連携」ではなく、介護やリハビリなどのあらゆる関係者による「連携医療」の体制づくりに力を注ぐ。関係者はもちろん、市民に向けた公開講座での啓蒙も行っている。
○…「地域の方がなんでも相談できるホームドクターでありたい」。ばんどうクリニックを開院し、来年で10年。「患者さんに頼りにしてもらい、喜んでもらえることが働くモチベーション」。医師として憧れたのはブラックジャック。人の命を救うことこそ医師の務め。大学時代にラグビーで鍛えたという身体と、ハードワークだった勤務医時代の経験と精神力が今に生きている。
○…4兄弟の末っ子として徳島県に生まれた。経済的な理由で医師の道を諦めた父から夢を託されたが、高校時代は「グレていて退学寸前。毎夜、ジャズ喫茶でたむろして、番長だと勘違いされたこともあったね」と打ち明ける。だが、大学進学のために一念発起。医学部に入るために予備校で勉強し直したが、当時は医学部志望というと講師に笑われるほどの成績。「絶対入ってやる、見てろよって思いで頑張ったね」とニヤリと笑う。
○…脳卒中に認知症、アンチエイジングと高齢者に多い病の専門医でもある。その知識を生かし、思い描くのは地元での認知症予防だ。今や病気は防ぐ時代。「運動・食事・サプリメントで生活を改善することで認知症の発症率を抑えた茨城県での『利根プロジェクト』という研究がある。泉区でも『下飯田プロジェクト』とかできたらいいね」
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