卒業に入園、入学と子どもの写真を撮る機会が多くなるこの季節。撮った写真をカラフルな紙やパーツで飾るスクラップブッキング教室が下和泉地域ケアプラザで毎月開催され、好評を博している。講師は716crop(ナナイロクロップ)の岩木美佐子さん。子育てで悩んだ自身の経験から、子連れのための教室作りに力を注ぐ。
開講して4月で3年目。教室には、色とりどりの紙に、さまざまな模様のマスキングテープ、花や文字の形に切り抜かれた画用紙、キラキラのシールなど、数えきれないほどの材料が並ぶ。参加者それぞれが持ち寄った写真に合わせて好きな材料を選び、配置や組み合わせ方に頭を悩ませながら貼り合わせていく。作るものは自由。大きなアルバムの1ページを作る人もいれば、写真メーンのカレンダーを作る人もいる。講師にアドバイスをもらったり、参加者同士で情報交換をしながら和気あいあいと作業を進める。
岩木さんが一つだけこだわるのは「コメント」。写真にその日の天気や家族の様子、自分の思いなどを添えることで、記憶が薄れてしまった数年後でも、当時赤ちゃんだった子どもが大きくなったときにも思い出を楽しめるからだ。
参加者のほとんどが就園前の子どもを連れた母親。教室には講師役の岩木さんのほかに、保育ボランティアとして友人らが協力し、母親の作業中も室内で子どもの相手をしてくれる。さらに参加費は1回数百円と破格。材料は好きなだけ、専用の道具も使い放題。材料は毎回台車で運び入れるほどの量を自宅で用意している。「正直大変ですよ」
「諦めて帰れる価格」
講師代も貰わず、材料費も参加費以上にかかる。それでも教室を続けるのは、岩木さん自身の経験から子連れでも楽しんでもらえる場を提供したいという思いがあるからだという。「子どもと一緒に習い事って本当に難しい。私自身も教室に通って、子どもが大泣きしたときに諦めて帰って『参加費が…』ってモヤモヤすることがあったので」。そのため、参加費は「まあいいか」と諦めて帰れる価格帯にしたと岩木さんは笑う。「楽しんでもらえたら私も楽しいし、ものづくりはストレス解消になる」
教室を続けるためには、協力してくれる友人や施設の職員、理解ある家族の存在も欠かせない。「私1人の教室ではないと思っています。周囲の協力あってこそ」と岩木さんは話した。
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