オーストリア・ウィーンで9月20日から24日まで開催された救助犬の世界選手権で、上飯田町の大島ドッグトレーニングスクールの代表・大島かおりさんと、セン(メス・5歳)ペアが「がれき捜索部門」で入賞した。
大会は国際救助犬連盟(IRO)が主催。救助犬の大会としては世界最高レベルのもので、日本からは3ペアが出場した。大会は足跡追求・がれき捜索・広域捜索の3部門。各部門で2種類の審査を行い、その合計点で7割以上を獲得すると救助犬としての世界基準を満たす入賞点になる。
今大会には総勢149ペア、がれき捜索部門には64ペアが出場した。大島さんは12年ぶりの出場で、センとのペアとしては初の世界選手権だった
がれき捜索部門は30分以内に3人の要救助者を探す「捜索」と、さらにトレーナーの指示に対する行動を審査する「服従審査」で構成。風が止みコンディションが整わない中、センは制限時間内に3人を発見し捜索審査で200点中140点、服従審査で100点中81点を獲得し、入賞した。
センの才能育成に奮闘
センはベルジリアン・シェパード・ドッグ・マリノア種で、開催地ウィーン生まれ。マリノアは活発で身体能力が高いことから、軍用犬や救助犬として世界各地で活躍している。
一方で日本人の訓練士と相性が合わないことが多く、日本で働くマリノア種は少ない。そんな中大島さんはセンを生後11カ月で引き取り、5年間共に訓練を続けてきた。
センは大島さんの元へやってきた当時から嗅覚が鋭く、才能を開花。捜索を始めるとまっしぐらに突き進む性格は救助犬としての素質が備わっていた。
大島さんは入賞を「訓練に行き詰った時に仲間からアドバイスをもらい、励まし合いながらセンと健闘した結果」と語る。故郷で錦を飾ろうと奮闘したセンには「共に成長させてもらった5年だった」と伝えた。
これまで熊本地震や市内での行方不明者捜索などで活躍したセン。5歳を迎え、その能力を次世代へ託そうと、繁殖犬として昨年9頭の子犬を出産した。うち3頭は大島さんが育てている。大島さんは「センのように、社会に貢献できる優秀な救助犬をこれからも育てていきたい」と話した。
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