三重県で開催された「第9回伊賀流手裏剣打選手権大会」で3位に入賞した 野口 晃希(こうき)さん 旭区在住 16歳
「本物の忍の姿 広めたい」
○…3位の座を争い、3人で行われた同点決勝。6m離れた直径約30cmの的に全神経を集中させた。「手裏剣打ちは、精神面が必ず素直に出るもの」。与えられた5投に持ちうる力の全てを注ぐと、全部が点数の的に入り、同大会の過去最高得点となる190点を記録。会場からは一投ごとに歓声が沸いた。「3位の結果は悔しいが、最後に自分の実力を出せた」と充実感をにじませる。
○…自宅近くにある忍者道場「四季の森武道塾」に初代生として3歳から通い始め、塾長の池辺政昭氏を師匠に古武術や忍術を学んできた。「最初に学ぶのは、歩き方をはじめとした身体の使い方。忍者はすべての術が使えないといけない」。中学生の頃は朝稽古に加え、週6日道場に足を運び、鍛練を積み重ねてきた。現在では子どもたちの指導にも携わっている。手裏剣打の稽古は、周囲を見ながら冷静に物事を捉える力と同時に、それを受け止める精神も養った。
○…12歳から都内を拠点に忍者文化の伝承に取り組む法人「武蔵一族」の一員となり、「野猿佐助(やえんさすけ)」の忍者名でさまざまな活動に取り組んでいる。日本では映画などの影響もあり、暗殺者のイメージも強いが、「実は影で平和を作ってきた存在」と強調する。近年、外国人に人気が高いという忍者文化。「皆、真剣に話を聞いてくれる。外国からの逆輸入で、日本にも本物の忍の姿を伝えたられたら」。現在、区内の高校に通っているが、卒業後は武蔵一族の社員として、活動を本格化させるつもりだ。
○…学校と稽古、指導、武蔵一族での活動など多忙な日々を送る。今回の大会に向け精神面を鍛えようと、昨夏から毎朝5時に起床し朝稽古。また、就寝前には体の状態を知るための瞑想を日課としてきた。「周りを気にしないで打てたので、少しは強くなれたかも。継続は力だと思う」。謙虚に前を向き、忍者の道を突き進む。
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