泉区民文化センター・テアトルフォンテを拠点に活動する「いずみ紙芝居一座」。結成から10年が過ぎ、今、定期口演会は毎回定員超えするなど、人気を博している。思いがけないブームの裏には、事務局を務める同館事業担当者とメンバーたちの地道な努力、そして意識改革があった。
「いずみ紙芝居一座」はテアトルフォンテが開いた紙芝居ワークショップに参加した受講生有志により2008年に結成。現在メンバーは6人だ。
既成作品ではなく、テーマ設定から脚本、絵づくりまで手がける職人集団としてスタート。現在一座として19作品、個人で23作品を有している。
当初は「子どもたちに読み聞かせたい紙芝居をつくり、郷土愛を育もう」と精力的に活動していた。しかし、作品制作をしながら年4回の定期口演をこなし、さらに地域への出張口演を合わせるとその活動はかなりハードな状況に。結果、近年はメンバー間の情報共有や表現技術の向上、新作といった、見せる側としての工夫に費やす時間が思うように取れず、活動がマンネリ化していた。
「続けるなら、このままではいけない」と、数年前から今後の在り方について事業担当者と話し合いを重ね、見せる・呼ぶ・盛り上げる意識などを再確認。その後、市内各施設への案内チラシの配架やSNSを使った情報発信、講師を招いた勉強会など、活動PRと表現者としてのスキルアップの2本柱に努めた。
加えて、良くも悪くも手作り感満載だった口演会は、発表会ルールなどを厳格化。結果、個々の表現や一つひとつの言葉の伝え方も洗練され担当者によれば「舞台らしさが増した」という。メンバーたちは「何かを変えたつもりはなく、ブームというほど手ごたえもない」と笑うが、後押ししてくれる環境があることに感謝する日々だ。
事業担当者は「ここ数カ月、問い合わせもイベント動員も明らかに増えている。はっきり言ってアツい状況です」と話す。他区からの見学依頼などもあり、フォンテでは今後、ワークショップの出張開催も視野に検討を始めている。
次回、口演会は年に一度の「フォンテフェスタ」にて。最近の動員数を考慮し、一座には昨年よりも大きい会場が用意されている。問い合わせはテアトルフォンテ【電話】045・805・4000。
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