市が昨年7月にベトナムの3都市5大学等と締結した介護分野に関する覚書(MOU)に基づく、インターンシップ生の受入れ第1号となる2人が和泉町の特別養護老人ホーム「天王森の郷」(鈴木啓正施設長)で働きながら介護を学んでいる。
横浜市では、団塊の世代が75歳以上となる2025年に、約8500人の介護人材不足が見込まれている。市はこれに備え、海外からの介護人材の確保と育成を推進するため、昨年7月にベトナムの3都市(ホーチミン市、ダナン市、フエ省)や5校の大学・職業訓練学校と介護分野における覚書(MOU)を締結。ベトナム側は横浜で介護分野に就労する意欲のある人を推薦、また送り出すことに協力し、横浜市側は、来日した人材の介護技術の習得や就労を支援するとしている。
この覚書に基づく受け入れ第1号が、ドンア大学看護学部4年のグエン・テイ・ハンさん(23)とフィン・ティ・クック・ホアさん(22)だ。2人は先月に来日。現在、特別養護老人ホーム「天王森の郷」で働きながら介護の知識と技術の向上に努めている。およそ9カ月のインターンシップ終了後は、一旦ベトナムに帰国。大学卒業後にまた横浜に戻り、技能実習制度などを通じて介護の仕事ができるように市が支援していく。
介護通し人を支えたい
ベトナムには介護を専門とする学部は無いが、介護分野での就労について2人は「人を支え、助けたいという想いが強かった」と口を揃える。大学で学んでいた知識を生かしながら、すでに食事や入浴のサービスなどの介護助手として働く一方、日本語能力のさらなる向上にも余念がない。まだ慣れない環境での忙しい日々にも、ハンさんは「利用者のみなさんの笑顔がとても素敵で、毎日本当に楽しいです」、ホアさんは「先輩方のフォローがあり、わたしたちも安心して仕事ができています」と話すなど、充実ぶりをうかがわせる。家では完全に自炊生活で食材を工夫しながらベトナム料理を楽しんでいる。日本の食べ物ではどら焼きがお気に入り。
2人について、受け入れ先の鈴木啓正施設長は「何事にも一生懸命で、自ら進んで学んでいく姿勢が素晴らしい。一度日本の環境を知っておくことで、再来日した時に即戦力になりやすい。身につけた知識や技術を母国に持ちかえり、また天王森に帰ってきてほしい」と期待する。
市によれば、今後は2人に続く第2陣として8人の受け入れも決定している。将来的に連携の輪をさらに広げ、様々な形での受け入れを検討しているという。
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