泉区農業応援隊の代表を務める 橋本 健一さん 緑園在住 79歳
喜びの声が背中押す
〇…担い手不足などに悩む農家の作業支援をする「泉区農業応援隊」。区の事業をきっかけに2012年に発足。現在20代から80代までの44人が所属する。認知度は年々上がり、現在援農登録をしている農家は49戸にも上り、頼りにされている。隊員らは1年を通して活動しており、大忙しの毎日だが「農家さんにとって今が一番大事な時期。皆気合が入っていますよ」とほほ笑む。
〇…作業内容は、ジャガイモの植え付けや、柿の剪定、ひまわりの手入れなど幅広い。毎回、支援先も変わるため、農家の手本を見ながら一からの作業だが、通常なら農家夫婦で1週間かかるところでも応援隊にかかれば約2時間で完成するなど、技術もチームワークも伸びてきた。ボランティアのため、活動に対価はないが「人に感謝されることがやりがい」だといい、喜びの声を聞く度、「また次」と心奮い立つ自分たちがいる。
〇…入隊は、自身の定年退職後の過ごし方を反省したことがきっかけ。家で過ごすことも多かったが、家族の忠告もあり、心身の健康のために「このままではいけない」と一念発起。情報紙でみつけた募集に飛びついた。説明会で泉区は経営耕地面積第1位で、農家数も3位という事実を知り「農家支援は重要課題のひとつなのでは」と気づいた。発足時にメンバー最年長だったこともあり、思いがけずリーダーに抜擢され、現在に至る。
〇…転勤を機に都内から移り住んで40年以上。町の空気のきれいさを実感する日々だ。目下の楽しみは4月に小学校に入学した孫の成長を見守ること。応援隊の活動で学んだ技術を生かし、自宅で栽培しているミニトマト。「両手でむしゃむしゃしている姿なんて、もうたまらないよね」とこの日一番、目尻をさげた。
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