おはなしのいずみの会代表を務める 吉田 久美子さん 旭区在住 60歳
心に届く「おはなし」を
○…図書館でのおはなし会や幼稚園・小学校での読み聞かせに加え、会の活動としてお馴染みなのが「大人のためのおはなし会」。語り手が物語を記憶し本を持たずに直接届けるスタイルは「一人ひとりの表情や声の温かさが良い」と好評。4年前にスタートし今ではすっかり定着。2グループで年4回の発表をこなす。「準備に趣味に催しに。図書館通いが止まりません」とにこやか。
○…会は、図書館で開かれたストーリーテリング講習会の参加者を中心に1997年に発足した。メンバーは40代から70代まで15人だ。大人向けの企画を始めて気づいたのは「想像力を膨らませて、日常とは異なる物語の世界に入っていく楽しさは、大人も子どもも同じだ」ということ。音の情報に集中していた眼差しがふっと立ち止まり、映像に変換しているかのような瞬間を見るのが語り手としてたまらない。
○…住まいのある旭区では、放課後の児童たちの居場所であるキッズクラブの主任を務めている。自身が子どもたちに贈るメッセージは、読み聞かせでもクラブでも同じで「相手の気持ちを考えられる人になろう」ということ。子どもたちを飽きさせないようネタ探しは苦労も多いが、モノづくりや集団遊びを通して仲間との関わりを学んで欲しいと願う。
○…絵本含み月30冊に及ぶ作品を読む。頭の中には昔話から有名作・話題作に至るまで、自然とストックが積み重なった。好きな作家を伝えると、自身のおススメ作品を紹介してくれるあたり、図書検索機のよう。本と同じ位に愛してやまないのは、さだまさしさん。詩の中に広がる美しい言葉の世界が魅力で、コンサートにも足繁く通う。「ファン歴45年です」と文字通り胸を張り、おどけて見せた。
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