市のインターン生の受入れ第1号として「特別養護老人ホーム天王森の郷」(鈴木啓正施設長)に来たグエン・テイ・ハンさんとフィン・ティ・クック・ホアさん。全日程を終え、このほど帰国した。本紙では帰国前に2人に日本での日々を振り返ってもらった。
横浜市では2025年に約8500人の介護人材不足が見込まれている。これに備え、海外からの人材確保や育成を促進するため、2018年7月にベトナムの3都市・5学校(現在は6学校)、さらに8月には中国の3都市、5学校と介
護分野における覚書を締結。各都市、学校側は介護分野に就労する意欲のある者を推薦し、送り出すことに協力。横浜市側は来日した人材の介護技術の習得や就労支援をするという仕組みだ。
この覚書に基づく、インターンシップ生の第一号として今年3月に来日したのがドンア大学看護学部4年のグエン・テイ・ハンさんとフィン・ティ・クック・ホアさん。およそ9か月間、「特別養護老人ホーム天王森の郷」で働きながら介護の知識や技術の向上に努めてきた。「あっという間だった」と口をそろえる2人。母国では見慣れない「機械浴」の仕組みが特に難しかったというが、実習を重ねる中で、食事やトイレの介助など、作業のほとんどを1人でこなせるようになった。
施設の仕事と同時並行で日本語能力試験にも挑戦。日常的な場面で使用される日本語をある程度理解することができる「N3レベル」を取得した。何事にも全力で真剣に取り組む2人は職員はもちろん、利用者からも大人気。2人の周りには文化や生活の違いを教えたり、日本語の発音や単語の意味を教えようとする人でいつもいっぱいだった。ハンさんとホアさんは「施設の皆さんが大好き。でも母親の手料理も恋しいの」と、帰国に関しては嬉しさ寂しさ半々のようだ。
今後は、まずは大学を卒業するための単位をとることに専念するという。その後の進路は家族と話し合いながら決めていく予定だ。鈴木施設長は「2人にはここでの経験を生かして、将来どんな形でも両国をつなぐ架け橋になってもらえたら嬉しい」と話した。
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