満福いずみ食堂(中田東)が5月で活動5年目へと入る。子ども一人でも食事ができる場所を目指し、地域の女性たちが立ち上げた「おせっかいチーム」(飯野紀子代表)が主体。継続の難しさも、義務なき組織運営と地域の支えで上手く乗り越えている。お腹も心も満たして幸せな気持ちになってほしいという想いを込めた「満福いずみ食堂」がオープンしたのは2016年5月のことだ。当時、始めるのは少しの勇気で踏み出せても、それを継続していくのが容易ではないことはメンバーの誰もが理解していた。だからこそ、思いだけが先行したのではなく、経費・人手・利用者といった現実を見つめた上での船出だった。以来、毎月第2・4木曜日に開店。1回あたりの提供は平均40〜50食だといい、これまでにのべ4千人近い人たちの「満福」 をサポートしてきたことになる。
チームに義務はない
「おせっかいチーム」はできる時に、できる人が、できる範囲でというボランティアの基本が徹底された義務なき組織。開催日の人員シフトもない。「しなきゃいけないがあると、いずれ負担になるから」と飯野さん。現在も発足当初からのメンバーが中心となっているのは、こうした無理のない運営方法によるところも大きい。
人員と対照的に、徹底管理でロスを出さないのが野菜・米・調味料などの提供品。継続的な協力者の存在が活動を後押ししており、そのすべてを決して無駄にしない。メニューは今あるもので考えるため、その日に決まることがほとんど。飯野さんは「始めるなら続けようと言い続けてきた。そのためにできることをしているだけ」と話す。「バランスの取れた食事でお腹いっぱいになる喜びを知ってほしい」が今も変わらぬ立ち上げ当初からの思いであり、数年で大きく成長する子どもたちの姿を見られるのも活動の励みだ。
初の中止から再開への歩み
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、食堂は2月後半から中止としていたが、期間中の反応はメンバーたちが考えていたものとは違った。「このような時こそ開催を」「親のサポートにもなるのでは」。迷って、検討して、各所へ問合せをして出した答えが弁当での再開だった。「普段の食材に加え、マスクや消毒液といった提供もあったからできたこと」とメンバー。調理にも細心の注意を払った。
本来なら今頃は、5年目突入記念のお祭りを開く予定だったが、当面お預けになった。残念そうだが、笑顔がこぼれるのは、久々の再開の喜びからかもしれない。地域を支える”おせっかい”はまだまだ続く―。
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