40周年を迎えた絵画教室「木犀会」を主宰する 渡辺 楊子さん 岡津町在住 83歳
絵の極意は「好きなこと」
○…近所の主婦たちの集まりが前身の絵画教室「木犀(もくせい)会」を主宰し40年。記念の展示会を戸塚区民文化センターで開催する。「30周年の時は2度目のがん手術をしたばかり。40周年まで来られたことに感謝したい」としみじみ。生徒の多くは自身と近い60代後半から80代半ば。今回は会員22人の作品に加え、故人の生徒が遺した作品も喪章をつけて展示する。
○…横浜生まれ。女学生の頃は手塚治虫に憧れ、友人たちに向けて連載マンガを描いたりしていた。大学卒業後は小学校教諭になったが、結婚・子育てを機に退職。夫の転勤先の長野で通った油絵教室の講師から「県展」への出品を勧められたこともあり、自然と近所のグループで絵の教え役に。「岡津十人展」として展示会も開いていたが、町外の人も加わる中で美術の秋にちなんだ「木犀」を会の名称に変えた。「生徒が入りきらない」と約30年前に増築された自宅のアトリエの床や棚には、木犀の花のように細かい色とりどりの絵の具が染みついている。
○…教室の傍ら、美術会の会員として県知事賞や内閣総理大臣賞などを受賞。現在は元陽会と県展の審査員を務めるほか、区内の福祉施設などに自身の絵の寄贈もしている。素敵な絵を描く極意を訊ねると「とにかく絵が好きなこと。絵の具でものを生み出すのが好きなのが条件だヨ」と茶目っ気たっぷり。
○…ドイツにインド、東欧--様々な国を訪れ印象的な風景や暮らしぶりを油絵で描くこと多数。特に約30年前に初めて訪れ「開けっ広げな気質に魅了された」というスペインは6度も探訪。多くの作品を描いた。泉区役所の食堂「宮島」に飾られている、海岸のまちで女性が豆菓子を売る屋台の絵もその一枚だ。
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