4月に開所した障害者入所支援施設「泉の郷まつかぜ」の所長を務める 黒須 正明さん 上飯田町在勤 64歳
障害者の可能性広げて
○…再整備が進む市の障害者支援施設「松風学園」の敷地内に民設民営で開所した「泉の郷まつかぜ」。同学園の学園長を3年務め「まつかぜ」の運営法人となった(社福)誠幸会にアドバイスなどをしてきた縁で所長に就任した。「多少の混乱はあるが、想定内で済んでいる」と安堵する。
○…大学卒業後、市職員に。1992年には市内初の障害者スポーツ施設「横浜ラポール」の立ち上げにも関わった。障害者の存在が今ほど身近ではない時代。「見てはいけない」ような考えもある中、「隠すのではなく見られるところは見よう」とプールに観覧席を設けた。すると、「『自分にはできない』と言いながら席で見ていた人の髪が後日会ったら濡れているんですよ」と笑顔。色々なものに触れることで障害者の可能性が広がることを実感した。
○…「みなと横浜、白いカモメと青い空」。ハイカラなイメージだが鶴見区に生まれ、幼い頃の記憶は工業地帯の黒い煙。5歳で移り住んだ旭区は「田んぼと緑。泥んこになりながら遊んだ」。市職員としても各地に赴き、横浜の様々な顔を知る。一番好きなのは「万国橋から見たみなとみらい。夕方の暮れなずむ感じが良い」。
○…40歳で始めた運動は「歯磨きと一緒」と生活の一部に。50歳を過ぎてからはフルマラソンにも挑戦する。「30Kmあたりが一番苦しいけど、沿道の声援は力になる」と話す。「まつかぜ」の開設準備開始を0Kmとすると「具体的な支援方法を組み立てている今は30Km付近」。ゴールにあるのは「誰もが地域で暮らせることがあたりまえの社会の実現」だ。「このマラソンが42・195Kmなのか、100Kmのウルトラマラソンなのか分からない」と苦笑いしつつもひたむきに走り続ける。
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2022年6月16日号