新橋コミュニティハウスで教室を開く折り紙師範の 永田 文夫さん 新橋町在住 69歳
展開図が”大好物”
○…「折り紙の基本は鶴にあり」。一枚の紙から生み出される芸術は、今や日本が誇る伝統文化”ORIGAMI”として世界中で認知されている。自身は日本折紙協会の理事を務める傍ら、毎月第1土曜日に新橋コミュニティハウスの子ども向けの折り紙教室で指導。子どもたちへと作品づくりの楽しさを伝えて7年が過ぎた。師範となった今も、200年以上前に初めて出版された『秘傳(ひでん)千羽鶴折形』を日々持ち歩くなど、初心忘れずがモットー。一枚で作る連鶴49種を集めた折り方の指南書だ。
○…制作は紙選びから始まる。たとえば国の重要無形文化財にも指定されている埼玉県の小川和紙など、様々な紙を見比べてモチーフにふさわしい一枚を選び出す。展開図を見ながら頭をひねる過程は本人曰く「この上ない楽しさ」で、食事をするのも忘れて没頭することもしばしば。折った後は台座や額で飾り、完成。自宅の部屋にはこうしてできた作品が所狭し並んでいるという。
○…茅ヶ崎市生まれ。子どもの頃から算数が大好き。中でも図形はいつ見てもワクワクしたと振り返る。折り紙はその延長線上にあり、気が向くと遊んでいた。高校卒業後は公務員の道へ。忙しい毎日の中で癒しをくれたのが折り紙で、ゆっくり自分と向き合う時間でもあった。気が付けば講師の資格を取り、のちに師範に。仕事以外の時間の多くを費やしたが「家族が一番の理解者」とほほ笑む。娘も小学2年生の時には折り紙作者になった。
○…現在は、よこはまウオーキング協会の会長も務めている。50代から11年かけて松尾芭蕉の『奥の細道』をなぞり歩いたのが印象深い。「好き」を通して各地の同志と出会える面白さは折り紙にも通じ、ウオーキング熱は折り紙に勝るとも劣らない。二つの生きがいについて「同年代にも子どもにも出会える場所にいられる。こんな幸せなことはない」と語った。
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